ひーちゃん@ザ・ヒーナキャットの配信と配信ライブ・生ライブについて

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ひーちゃん@ザ・ヒーナキャット MIX CHANNEL 配信ライブ

 

ライブが無くなって久しい。誰もこんな事態は想定していなかった。

 

荒れ狂う、収束の見えないコロナ禍。ここまで来ると真剣に新たな新展開を考えないといけない。そんな新しい試みがひーちゃん@ザ・ヒーナキャットの発信で今年の2月頃から色々と行われている。

 

兎にも角にも、このひーちゃんの試みが非常に興味深くて面白いのだ。

 

ひーちゃんは1月に試しにやってみたカラオケ配信に可能性を感じて、ライブの無くなった2月から本格的に配信をやると決めた。

 

それから「カラオケ」、「トーク」、「ゲーム」、「ライブ」と配信を続けている。

コロナ禍がまだどうなるのかなんて全くわからない時期だったから、誰もここまで真剣に配信と向き合ってはいなかった。

 

ひーちゃんは言う。

 

「楽器を触らないと楽器が弾けなくなる。歌を歌わないと歌が歌えなくなる。」

 

だからライブができない間は、ライブに向けた練習の意味でも配信を毎日やると決めた。

 

ザ・ヒーナキャットと言えば、ファン(キャットクルー)の優しさに定評があることで知られる。

しかし、それも実はひーちゃんのこの気質があってこそなんだと言うことが、最近になってわかった。

 

僕も初めてザ・ヒーナキャットのライブに参加した時、チケ番が後ろの方なのに、前の人から前の方にいくように促されたし、会場はライブ中も暖かい雰囲気に包まれていた。

 

ザ・ヒーナキャットは一見すると強面(こわおもて)で、冷淡な雰囲気がイメージとしてある。それはゴシックなファッションやオルゴールの人形劇の様な無機質なライブを表面的に見てしまうとそう思えてしまうのかもしれない。

 

しかし、実際にライブに参加すれば、そんな上っ面なものよりも、楽曲や演者から溢れ出る温かさに気づく。そしてライブ後の物販で、ひーちゃん、ちのちゃんのサービス精神にも目を見張るものがあるとわかるし、オンオフでのヒーナキャットのイメージが違って楽しい。この手厚さがそのまま鬼才ひーちゃんの存在の賜物(たまもの)なのだろう。だから見るものの気持ちに余裕を生みだし、ひーちゃんのような広い心がキャットクルーの心の中に宿る。

 

2019年の年末の小倉2DAYSから僕はがっつりハマった。存在を認知してから嵌るまで、相当時間がかかる方なのだが、そんな中でヒーナキャットはわりと早かった方なのかなって思っている。だって、そん広い心の皆んなに包み込まれたらもう外堀なんてないも同然なんだからさ。

 

そんな至福のザ・ヒーナキャットライブに転機が訪れる。

 

ザ・ヒーナキャットに限ったことではないのだけれど・・、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言発令だ。自粛が続いていた3月を経て、4月に発令され、5月まで不要不急の外出は禁止となる。

 

軒並みアーティストがライブ延期を発表する中、ライブができないひーちゃんは配信を追求する。

 

ひーちゃんの判断は本当に早かったし、割り切りが早いからすぐに行動に移せた。

 

「ライブができないならばライブが出来る環境を作れば良い。」

 

Mix Channelと言う場所を得て、ライブとは程遠い機材ではあったが、とにかく配信を始めた。この判断と実行力が凄い!

 

毎日コツコツとイベントを配信する。

 

ソロ曲を作り、CDやチェキ、グッズを販売する。

 

夏の一大イベントの開催を企画し、それをキャットクルーと一緒に「どう盛り上げるべきか?」をミーティングやフリートークで、僕らにアイデアを募る。

 

ひーちゃんと言う1人の才能が、音楽や、音楽の周辺のいろいろな活動も含めて、隠すことなく魅せてくれる。

 

そう、普通は垣間みることすらできないようなリハーサルにでも立ち会っているかのような配信ライブ、運営に口出しして、あたかも参加して、一緒にヒーナキャットを作り上げているかのような錯覚すら感じてしまうミーティングや日々の配信フリートーク。そんな毎日の配信を通して、一体感が生まれ、僕らの好奇心をグイグイと掻き立てる。

 

はじめは単なる配信と思っていたけれど、これだけ先が見通せない状況のなかでは、

最早、これはライブの代替えではなく、「これも一つのライブなんだ。」と感じた。

 

ひーちゃんが歌い、僕らが「おい!おい!おい!おい!」と書き込む。

 

顔は見えないから生のライブと比べたら全然別物ではあるのだけれど、ここにだって確かな交流があり、ライブハウスで出会ったあのキャットクルーたちが変わらぬ優しさで、ひーちゃんを見つめ、合いの手を書き込んで入れる。

 

ひーちゃんは配信ライブだからと言って手を抜かない。配信機材もドンドン改良され、音響機器や環境が本格化する。

 

程度の差はあれど、今やPCのミックスソフトで本格的な編集作業ができ、CDが作成出来るし、様々な通信環境で、在宅で仕事も出来る。外出規制がかかったことで、僕らの一般的な仕事でも映像配信による打ち合わせもできる世界になった。今までのタブーがこのコロナ禍で随分押さえ込まれた結果だろう。

 

そんな状況下で色々とアイデア溢れる素晴らしき才能、ひーちゃんは次から次へと試行錯誤を繰り返す。この目の前でどんどん進化を遂げる様をみていると、「ノンフィクション・新感覚エンターテインメント、ひーちゃん」と言うドラマを見ているかのように感じた。だからそんながひーちゃんが今、本当に面白いと思う!

 

そして遂にひーちゃんは新しい新感覚ライブを作り上げてしまった。たった一人でバンド演奏をする。今や誰もがやっている配信ライブだけれど、ひーちゃんほどの頻度、熱量ではやってない。

 

とは言え、ひーちゃんは配信をメインで活動しているわけでは決してない。メインは僕らの顔を見ることができるライブハウスで活動するライブバンド、ザ・ヒーナキャットのひーちゃんなのだ。だからこそ素晴らしいと思っている。

 

本当の生のライブは見て貰えばわかるけれど、比べものにならない程に素晴らしいものだ。

 

ただこの感染の不安を拭い去ることの出来ない世の中では、以前のような形でライブだけをメインでおこなうことは難しい。それをネガティブにとらえるのではなく、これも新しいライブの形として肯定できれば、もっと音楽を世に広めることができるんじゃないかな。

 

完璧にショーとして行われるライブは勿論だけれど、色々なタガの外した、砕けた配信ライブも新しい魅力だ。リハーサルや作曲、ゲネプロにオーディエンスが入り込むという新しい試みが、思いも寄らない、こんな不自由な状況下で不思議と花が咲き始めた。

 

今や、配信ライブは珍しくなくなった。無観客ライブも始まったし、また一段とライブのあり方が変わってきたと思う。それでもメンバーが揃わないとできないとか、準備ができないとできないとか、そんな気遣いは残る。

 

そんな気遣いよりはやってみること、ひーちゃんスピリッツは多少過激かもしれない。ノーメーク、普段着での配信と言うのが通常であり、上で気にされる一般的なお約束なんて一切関係ない。敷居を低くして、無駄を省く。そうした配信の中でいろいろ学び、経験として蓄積して、既成概念をぶち壊す。

 

ひーちゃんがここで試行錯誤したことは、今後、また新しい発展を遂げることだろう。

 

少しづつではあるがライブも再開され、来月はこのブログでもまたライブ参戦記録が更新されていくと思う。長い長い停滞期を経て、観客とアーティスト、観客とライブハウスとの絆が深まり、ちょっとした進展を遂げるのかもしれない。

 

2020年。辛い時期はまだ続く、共存しながら、新ライブ、新ライブハウス元年として僕らの活動領域は縮小することなく、拡大する。生ライブ、無観客ライブと配信ライブと言う新たな方向性がどう伸びていくのか、今後に目が離せない。

 

とは言え早くライブ参戦したい。