Universe Last A Ward主催DOOMSDAY in 福岡GRAVITY
2024.02.10 福岡GRAVITY
DOOMSDAYフライヤー
1.福岡GRAVITY?
福岡は地元だし、大概の箱はみてきたからググっても見つからない箱があるなんてね…マジびっくりした。
JUDICIARYフライヤー
まず初めに目にしたのはこのフライヤー。ばりかっこいいのと、最終日が福岡なんだ。
テキサス出身のスラッシュメタルバンドJUDICIARY来日公演、最終日、福岡!
おおっ!福岡に来日アーティストが訪れるなんて、中々ないし、しかもツアファイ!これは行かない手はない!と意気込んでチケットを取ろうとしたが、福岡公演は当日券のみ!箱は「GRAVITY?」…どこそれ?
5年前、COLLECTIONS OF WEAKLING、HOTOKE、Universe Last A Wardのスリーマンイベントが天神今泉のクラブ「グランドミラージュ天神」であったけれど。会場は鏡張り、ステージは高く、ミラーボールが回るあの会場は違和感でしかなかった。まさか…ね。その焼き直しか?その時の記憶が頭の中でチラついた。とにかく会場に行かなきゃチケットすら買えない。福岡GRAVITYを探さないと話にならない。SNSで問いかけるとulawのKatchangさんが教えてくれた。
GRAVITYとは吉塚にある「スケートパーク」。そう言えば昔、J-WAVEもまだなくて、ヘビーローテーションとかも無かった時代に、TVでサーフィン、スケボー、スキー、スノボなどの滑る系スポーツの躍動感のある映像と共にANTHRAXなどのスケーター系スラッシュの曲が流れてた。そう、スケボーとロックはめちゃ相性が良い!これは楽しそうだ!箱だけで遊び心が充分伝わる。これは伝説的ライブになるんじゃない?笑
町工場さながら
2.グラビティ、まじ町工場
正午から入場ということで珍しく早起きをして家を出る。場所は博多から一駅の吉塚。大通り沿いのウエストの角から一本筋を入った住宅街?。スレート葺きの古い町工場をスケートパークに変えたらしいが、外観だけではここが会場だなんて全くわからない。シャッター前に集まるハードコアファンと思しき若者らと小さく張り出された"DOOMSDAY"のチラシ以外、そこがライブ会場であることを示すものは何一つない。着いてシャッター前に座っていると、まもなく開場となり、中に入ると天井クレーンが残る町工場さながら、床にはスケートパークらしくボードランプが幾つも配置されている。ステージからしてボードランプだ。いやー、どんなライブになることやら。笑
ステージ
3.フェス飯
12時と言えばランチ。会場には物販テーブルとドリンクテーブル、そしてフードを販売するテーブルが設置されている。フードはタコスとカレー。トルティーヤを焼く人とキーマカレーを温めている人がいた。タコスは時間かかりそうだったのでキーマカレーとサッポロ黒ラベルを選択。タバスコをたっぷりかけていただく。ケ・リコ♪(なんて美味しいんだ!)
その佇まいはフェスの様。Tシャツも、カレーも、ライブハウスという名の居場所も、衣食住がここに全てあるんだから至福だ。
UNIVERSE LAST A WARD主催のこの楽しいイベントで彼らなりのスピリッツをたっぷり体感できるのは最高だ。
4.DJ-BAND-LAP-BAND…
入場した時から禅のDJパフォーマンスがすでに始まっている。まさに客入れSEのように贅沢に鳴っている。スケボーを持ち込む者は会場を縦横無尽に駆け回る。昼の真っ只中に爆音に身を沈めるのは心地よい。昼とは言え会場はスレート一枚の工場。冷える。そんな中でタンクトップ一枚で歌うDOZEONE。これぞハードコアなライブパフォーマンスで会場を沸かせる。なるほど、ステージと観客との間のハーコーモッシュピットをスケボーがライブ中も通り抜ける。ヴォーカルもピットに降りて、早くもカオスなステージ。コレはたまらない。
DOZEONE
続いてヒップホップなラップのライムがスケートボードでランプを攻める音と共に響き渡る。正に今日のためではないかというような名前、S.V.E.L.L.(スヴェル)のステージ。笑
ゲストラッパー2人を迎え、合わさる歌声はハードコアにも引けを取らない迫力。そのステージは新鮮で良かった。
s.v.e.l.l.
ラップの後は大阪発のハードコアバンドTIVE(恥部)のステージ。ハイトーンヴォーカルが印象的なTIVEだが、最後の曲でヴォーカルを取り囲みハグする様は凄い盛り上がりで印象に残った。ステージと会場の敷居が低い会場ならではの観客と演者との交流。素晴らしい。
TIVE
続いてEVOLNATASのステージ。「ステージが始まったら爆音でライブが続けられなくなるけれどごめんな。」初めはリュックを背負ったオヤジがステージに乱入したのかと思ったら、バンドのヴォーカルで、その想定外に迫力のある歌に魅了された。Youth-Kさんの声は強くてかっこよかった。「げっ、ちいせー!これなら大丈夫か。」確かに音自体は然程大きくない。近隣からクレームが出たみたいで、GRAVITY的には酷な時間だったのかもしれない。音は爆音ではなかったけれど、重厚なドラムは抑えられるわけもなく、上がる。実はEVOLNATASは九州の著名バンドメンバーが集まったスーパーバンド。なるほどドラムはSecret TempleのGxPxさんだった。Secret TempleはHYDROPHOBIAとの対バンで何度か見たことがあった。音が重厚で素晴らしい。
EVOLNATAS
15:05、時間通り。次はView from the Soyuzだったのだが、ステージに厳つい外国人が機材替えをしている。これってJUDICIARYじゃね?
サウンドチェックを先にやっているだけか?いや、そんなことはない。VFTSはキャンセル?VFTSとulawのステージも楽しみだったのだが。ここまでバッチリタイムテーブル通りに進んでいたから、この変更にはびっくり。困惑する会場をものともせず、JUDICIARYのライブパフォーマンスがスタートする。「FUKUOKA!」とJAKEが叫ぶ。「お前ら前に来い!」とばかりに手を振って煽るが、ここはハーコーピット、一旦は前に詰めるがモッシュがはじまるとまたラインは後ろに下がる。始まりはFLESH+BLOODから"FLESH"。そうだな、彼らとしてはこのアルバムのツアーだったのだ。
JUDICIARY
「今日がJapan Tour 最終日なんだ!」とJAKEが話す。時間変更はフライトの都合なのか?それとも近隣から苦情が来たらしいから、中断を想定してゲストの時間を繰り上げたのか?ちょっと心中ざわざわしながらのライブだったが、彼らの素晴らしいパフォーマンスは充分素晴らしい。ハードコアな観客にヘイトブリードのカバー曲をプレゼントしたJUDICIARY。あっという間だったが楽しい時間だった。
そしてView from the Soyuzが登場。先ずはキャンセルではなかったことに感謝。観客の盛り上がりがここからUNIVERSE LAST A WARDまで過激に上昇。VFTSのルーツがメタルなので凄く聴きやすい。反対にulawはハードコアなので掴みどころがないところがあるが、激情系の叫びとメロディはジャンルを超えて心に響く。なんだかんだ引っかかって、ずっと引きずられて今に至る。
九州ハードコア界隈には楽しいコミニティーがあって、その良さがこの高まりを生む。
「観客も混乱しているのかもだけど、演者側もかなりぐちゃぐちゃなんだぜ!」先ほどのタイテ変更の煽りを食らったのはVFTSだったのは間違いないが、結果的に観客の反応も格段に良くなって、ライブとしての一体感が増した。
「また福岡にくるから!」とヴォーカルmasaさんがそう言った。盛り上がり良かったし、充分手応えはあったと思う。
VFTS
ラストはulaw。演者と観客が混じり合って、境界が無くなっていた。Shuichiroさんは歌っていたけれど、観客がより大きな激情を込めて歌っていた。大きな笑いと愛で会場が包まれた福岡GRAVITY。この7時間に及ぶ会の締めくくりに演奏された"Farewell"。みんなこれを聴くためにここにいた。また次につながるように、今日も叫び続ける。
ulaw
「この場所でいろいろな制約がある中で、このイベントが何事もなく…できたこと、本当にすごいこと。この灯火を絶やすことなく、またやりましょう、みんなで。」主催が誰かで雰囲気がまるで違う。こんなにもアウトドアキャンプみたいなライブも珍しい。今日のイベントはまるっきりユニバースならではのイベントだった。感動と熱い想いに溢れて曲が終わる。最高だった。
タイムテーブル