絶叫する60度 MCに落ちた北九州の夜
絶叫する北九州
2019年2月9日
小倉FUSE
1.漸く・・
実は絶叫する60度を知ったのは2015年秋頃だった。メタルが好きな友人から「メタルじゃないけれど面白いバンドを見つけた。」と言って紹介されたYouTubeがタワレコのインストアイベントだった。なんとインストアイベントで、しかも演者がサーフをすると言うもので、しかも女性で!っていうことで、かなりの衝撃を受けた記憶がある。その演者がこの絶叫する60度の魁ともんてろの二人だった。音楽はパンク寄りのロックで、観客との一体感が映像でもすごいと感じた。続けて観た目黒鹿鳴館のフルライブ映像もガンガン攻め込んで来る。ライブは本当に凄いんだろうなと思った。しかしその時発売された「Only Place You Can Cry e.p」がどうしても好きになれなかった。そんなことでなんとなく絶叫からは距離を置くことになってしまった。それでも友人達がツイッターでライブの感想を呟く。ベビーメタル界隈では常にその名前を轟かせる絶叫だから、ライブは行ってみたいと言う思いは持ち続けていた。そうは言っても平日は動けない。そして昨年秋に「絶叫が北九州でやるので行かない?。」とKANEさんからお誘いを受けて、どうせど平日だろうなぁ~と気持ち半分で調べると目が点。「小倉FUSEで土曜日!」おい、おい、余裕で行けるやないかい。そんなんで今回の参戦を決めた。
2.ライブ前
土曜日の小倉。九州各所からここ小倉に果敢なるえっふー達が集結する。小倉A級ストリップ劇場などが集まる一番ディープな界隈にある居酒屋白頭山京町店に20人近くのえっふー達が集まって昼間から宴を催している。ライブの始まる前からの大宴会。開場時間まで手酌の100円生ビールでガンガン宴は行われていた。そんなイケイケの雰囲気のまま一同小倉FUSEに移動、えっふー達は思い思いのTシャツを会場で装着する。
絶Tが集まると、かくも壮観な風景になるのか~。初見から見るととても神々しくて近寄りがたく感じる。ところが当のえっふー達はみんな気さくに「全然そんなことないから。初見は前でしっかり観ていって。みんな優しくて初見には手厚いから。」と優しい!
そして実はえっふーのほとんどは知り合いなのだ。実にベビメタからの流れが多くて。初見でもベースは同じ。メイトは須らくえっふーになるポテンシャルが高いと思っている。・・が、それをこれから実際に身をもって体験することになるのであった・・。
3.そうだ皆んなに聞いてみよう
本公演は「絶叫する北九州」と名を打たれて、かくも方々からツワモノ共が集まっている。TLでは「北九州は特別な場所。」との呟きを見る。初見からしたら何故名古屋の連中が北九州を特別視するのか?一体全体いつものライブと何が違うのだろうか?皆目見当がつかない。
TLで演者である魁たちが北九州への想いを呟く。ん~、深い。深すぎてわからないけれど、我がマザープレイスの小倉が持て囃されている。嬉しいじゃないか!
そんな深いことは初見の僕にわかるはずもないが、これだけ人がいるんだからみんなに聞いてみるっててはあるよな。雑にだが聞いてみる。
「いつもと違うところ?そりゃ、ワンマンだってことじゃないの?ワンマンは初めて、楽しみだわっ!」
ライブ数は多いがワンマン公演は未経験という人もチラホラいた。いつもは対バン公演の為、やれる曲目数はそんなに多くない。なるほどね。
「何回か通って漸く聴けた、そんな曲も今回のワンマンでは一気に聴ける。バラード三曲が1ライブで聴けるのはワンマンならでは。こんなことってなかなかないんだからね。」
なるほど、初見には完全に消化不良だけれど、楽しみには変わりない。今んところはそんくらいか~。じゃあもう1つ。えっふーは背中に絶の字を背負っているけれど、見回すと別の文字もある。「超」、「壊」の文字は一体どんな意味があるのだろうか。
「壊Tは魁ちゃんの生誕祭の時のもの。超Tは別のグループのじゃないかな。」
なるほど、いろんなTシャツがあるんだ。絶Tの漢字一文字はかなりインパクトがあってこれが集まると相当な威圧感となる。そんな感じで色々聞き回っていたら開演時間になっちゃった。
3.開演
「おはようございます!」
「絶叫する60度です!」
ライブが始まった。ステージと会場のテンションが異常に高い。特に目まぐるしく変わる振り付け、これはレジェンドと呼ばれるえっふー達の独壇場。振りが熱い!モッシュが熱い!流石えっふー!流石絶叫する60度!これはとても歯が立たないわ。この凄まじい光景にドン引きの自分が幽体離脱して上部2mくらいのところからドローンと化した我を想像してふわふわと漂っていた。すると魁のMCになる。
魁「絶叫する60度は4年振りに、やっと帰ってきました。本当に小倉は私たちにとって特別な場所なんです。これまで全国47都道府県を周って全国でライブをしてきた。でも何か足りないと感じていた。そう、私たちが全国を回るきっかけとなったここ北九州がなかったから。私たちは知っている、北九州は福岡とは違う、48番目の場所だってことを。私たちはあの四年前にここ小倉に来て、元気玉を貰って秋田とか全国にたびすることになった。こんな事をツイッターで呟くと他の県の人が何で?って言って炎上するんだけれど、そのおかげで、もっと熱くなってくれるようになったりして良い効果もある。」
この神ってるMCで我を忘れた。今はもうこの歌に全てを捧げよう。絶叫する北九州を狂気の渦にしてしまおう!気づいたら二列目のドセン近くにいて両手の拳を掲げていた。
ライブ中に何度もMCが入り、その言葉を聞くたびに涙し、熱くなる。これほどのものとは全く想像できていなかった。初見すぎて曲だってあまりよくは分からなかったわけだが、楽しいし熱くなれる。ただ一曲だけこれはと思った曲があった。「T字路」何故かジーンときた。
モッシュがあり沢山圧縮、サーフがあった。しかし、魔法の言葉が全てを覆い尽くしてしまう。ライブはいろいろ観てきたけれど、これは怪物、年間300本もやるとこうなるのだろうか?聞いてないよ?聞いてない。おかげで、ライブ後のチェキも沢山楽しんだ。もんてろ可愛い!魁ちゃん可愛い!ライブ以上に時間がチェキにかけられる。一人当たりの時間が半端なく長いから結構話ができた。
こんな伝説的なライブが初めなんてやばくない?激ヤバだと思う。ああ、想定はしていた、いたけれども、これは凄すぎたよん。
もんてろ「なんとかMETALって人ばっかりなの知っているんだから。だけど良いよ、それでも観にきてくれて一緒に歌ってくれているから。有難う!たのしかった。」
もんてろの言葉通りなんだけれども、1つ言えることはメイトは絶叫する60度に絶対に落ちる可能性が高い。そう確信した夜だった。
ちゃーはんさんの書かれたセトリ