改元と広島と絶叫する60度の想い 令和初日の忘れられない一日

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絶叫する60度 with Jacky CATS

 

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絶叫する広島2019ーWELCOME TO REIWA!

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セカンドクラッチ広島


2019年(令和元年)5月1日

セカンドクラッチ広島

 

1.プロローグ

 

広島と言えばSU-METAL (Babymetal)の生誕地ということで僕ら「METAL名を持つえっふー」にとっては非常に思い入れのある場所である。LED ZEPPERINのジミー・ペイジ終戦70周年で訪れた2015年8月の翌月、イギリスのメロスピパワーメタルバンドDoragon Forceの来日公演がClub Quattro広島であって、僕は初めてそのライブで広島を訪れたのだが、それ以来縁があって毎年訪れる場所になっている。特に2017年11月にLegend-S、SU-METALの20歳を祝う洗礼の儀が基町のグリーンアリーナで開かれたときはその周辺を7,000人を超すメイトで2日間埋め尽くした、あの思い出が強く記憶に残っている。

又、八丁堀には「お好み村・厳島」という広島の観光名所で修学旅行客や海外からのバックパッカーなどが集まる場所としてある。地元民はわざわざこんな観光名所では食べないが、僕らにとって、そこはSU-METALがお好み焼きを食べた場所として記憶されており、広島に来るたびに立ち寄る場所(聖地)として位置付けている。「特製スペシャルとソーダ(当時ラムネ)」いわゆる「すぅちゃんセット」を食べずして広島は去れないという意識は少なからず僕等は持っていて、油断するとかち合うこともある。ここを訪れた九州界隈のえっふーたちは特段の取り決めをしていたわけでもないのに、厳島に集まってしまう。この広い広島でお好み焼き屋は多数あるにも関わらず、極偶然に、しかし極めて必然に集まる様は滑稽なことだが、推しに対する愛情が溢れる素晴きリスペクトとも受け取ることができる。これは絶叫する60度が福岡に来るたびに寄る「博多らーめんSHINSHIN」に度々えっふーたちが集まってしまう状況に等しい。そして今日はその「絶叫する60度」がセカンドクラッチ広島でワンマンライブを行う。広島でのライブというと漏れ聞こえるのは「不安を感じさせる言葉」ばかりだった。なぜかはわからないが大きな都市の割に集客がそれほどでもないからなのか?だからもし僕が遠征をするのなら広島かなって決めていた。一人でも多く広島に行って、実際はどうなのかはわからないけれど、盛り上げないといけないと感じていたから。

それに「絶叫する60度」が次に九州を訪れるのは2ヶ月後でもあったから、その中間の5月初めにライブ参戦を計画したかった、という事情もあった。だから5月1日広島公演への参加はベストな選択だったし、行くしかないだろう。

当初頭から完全に忘れ去っていた改元。GWが今年は長くなるってだけしかない。そんなことより今、阪神がタイムリーを放って6-2で広島を引き離した、そっちの方が一大事なんだよ!幸先悪いじゃないか!プンプン。(厳島のTV中継を見て)

野球のことは置いておいて、そんな上の決めた無関心な改元が、実はこの絶叫する60度のライブに行くことにしたおかげで別の意味を持ち始めた。この平成から令和へ移行したその日に広島でライブが行われること。そのことの意味を当初は深くは考えてはいなかったけれど、実はとても興味深いことでもあったと後で気づいた。

チーム絶叫にとっての広島公演は、「ニューアルバム“絶”リリースツアー2019」の中の1ライブに過ぎなかった。ところが改元を挟むことで広島公演が、「令和初日」という「特別な日のライブ」に変ったのだ。昨夜の4月30日大阪公演が「平成最後のライブ」であとすれば、本日広島公演は「令和最初のライブ」となる。その両日に参加した漢もいる。その人たちにとってこの二日間は一生のうちでも大変貴重な2日間になったであろうし、その連戦したという記憶は、他に代え難い素晴らしい思い出へと変わるだろう。僕らにしても今日という特別な日に絶叫のライブに参加できたことは、忘れられない1日となった。改元自体は大して意味がある事ではないが、結果的にそのおかげでこの広島公演が特別な日に思えたことが良かった。※

※佐賀のライブでもんてろが「令和だ平成だって何にも関係ない、今日も明日もいつだってはじまりなんだからその毎日のはじまりのライブはすべて大切にやっていきたい。」って趣旨のことをいっていたけれど、そのどんな一日も大切に思うという意味ではこの2日間に参加した者がより特別視する=大切に想うという意味において、充分、もんてろの言葉と通じ合えるものであると考える。

 

2.当日乗り込み!飯!

 

5月1日晴。しばらく雨が続いたので、この日が晴天であったことはありがたい。サクラは散り、新緑の若葉が生えてきた柔らかい緑がこの広電の車窓から眺めることができた。今日は春の過ごしやすい一日であった。広島駅から初めて乗った時の広電は、八丁堀までかなり時間がかかった印象だったのに、今日は一瞬で着いてしまったと感じられた。目指す堀川町のライブハウス・セカンドクラッチ広島は胡町と八丁堀の中間にあり、そこにも一瞬で着いてしまったと感じた。案の定、早過ぎて現場にはまだ誰もいない。とりあえずここにきたら広島PARCOに行こう。そしてその裏手にあるお好み村、厳島に行くしかないだろうなってなってしまう・・。エレベーターで4階に上がった。エレべーターの扉が開くと正面には満席の厳島が見える。運良く然程待つこともなくして奥の席が空いた。席に着くと安定のすぅちゃんセットかなと思ったのだが、ライブ前の景気付け「始まってんぞ!」をやるにはあの1杯が欲しいところではあったので、ここは生ビールにした。生にありついてほっと一息したその目の前で、実は何やら問題が勃発していたようだったことに気づく。それも現在進行形の・・。おじちゃんは余裕のポーカーフェイスでお好み焼きをいつものように焼いていたが、その横ではお姉さんがかなり取り乱していた。アメリカではこの様子をよくアップセットと呼んでいるが、全くそのものと言った感じで、尋常ではなかった。やりとりは僕が来るちょっと前に勃発したらしく他のお客さんはより神妙な面持ちでことの成り行きを見守っていた。要は「麵のストックがないからお好み焼きが作れない!」ってことの様だった。「GWのど真ん中で製麺所も休んでいて連絡がつかない。」と苦言を呈すお姉さん。おじちゃんは全く取り合わない。そんなことが起きているとも知らずに外国からの観光客がぞくぞくとやってくる。お姉さんは「胸が痛い、呼吸ができない。」と独り言を言う。それを「大丈夫なのだろうか?」とは誰も言わず、「またか?」的な表情で受け流す。そんなお姉さんがバタバタ出たり入ったりして10分後、両手いっぱいのそば袋を抱えて戻ってきた。おじちゃんが聞くと、倉庫のいつもしまうところではない場所にあったとか、一瞬、これは食えないかもしれないなと思われた僕の特製スペシャルはそんなことで無事鉄板の上に置かれた。通常なら何と言うこともなく出てきては、余韻もなく食べて立ち去る厳島なのだが、おかげで次のドラマへとつなが流チャンスを得た。・・EV前が騒がしいことに漸く気付く。

 

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厳島にてお好み焼きを食す



「あー!。」

 

えーちゃん、なかSY、ゴロゴロさん、あさちゃんと友達、計5名が厳島に到着した。(上記写真撮影:ゴロゴロ)特に約束をしたわけでもないのに、こんなところで会うとは!しかも運よく僕の周りが直ぐに空いて厳島の奥の片隅に集まって座ることができた。BABYMETAL以来であれば2017年11月以来、1年半ぶりと言いたいところだが、LEGEND-Sの時に、この小さな店で7,000人が食べれた訳もなく、皆、意外にも「初めて食べた!」って言う者が多かった。念願の聖地、厳島を充分に満喫できた様子だった。ビールもなくなり僕もみんなと同じ「広島レモンサイダー」に切り替える。そんな時に二つ目の団体が到着する。「絶叫する60度」の平成最後のライブだった昨夜の大阪公演から徹夜明けで流れてきた九州界隈チーム、漢のKANEさん、マロさん、とよっち、こばさんの4人がいた。この狭い場所で、九州のえっふーで9人も肩を並べてお好み焼を食べる時が来るなんて。えっふーで店をほぼ占拠することがあるなんてと感慨深く感じた。そんな至福の場所にいたかったが、客足は止まったわけもなく、流石に店に悪いので、とっくに食べ終わっている僕は一先ず先に9人を残して店を出た。

 

3.ライブ!

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TIME TABLE

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参加者への注意書き


会場であるセカンドクラッチでは整列が始まっている。整列?絶叫で整列して入るなんて九州ではなかったので、これはすごいなと感じる。整理番号27番は階段室の3階くらい、会場は4階だから1階上が入口。主催者側は厳格で断り書きも警戒心いっぱいだ。

 

1ドリンク代を払い、ドリンクチケットをもらい、入場後物販で魁TEEとタオルを即座に購入してクロークに荷物を預け、ミネラルウォーターをもらう。会場ではナベさんやShirohigeさん、みっちゃん、かえでちゃんにも会えて準備OK。間も無く客電が落ち、Jacky CATSの面々が入ってくる。そしてもんてろと魁が飛び出してくる。最初の一言から激しい!テンションが半端ない!半端ないんだけれど、どこか優しい感じがした。

 

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「広島ー、行くぞー!」

 

怒涛の公演スタートで下手2列目にいたが、容赦ない圧縮がきた。二人が出てくる毎に起こる圧縮は激しかったがサーフは少なめだった。

 

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「令和の最初の貴重な日に絶叫する60度のライブを選んでくれてありがとう。まさかこんなに多くの人が来てくれるとは思わなかった。勿論遠征の人が多いのは知ってる・・本当にありがとう!未来にこの日を思い出した時に絶対行ってよかったって思える様なライブにするからみんなついて来てね。」

 

会場には想像よりはるかに多くの人がいたし、みんながっつり食いついている感じがした。チーム絶叫もスタートはまずまずだった。あとは盛り上がって楽しむだけ!W.O.Dもサークルモッシュも幾度となく起こり、相変わらずの円陣等もあったし、みんな想い想いのやり方で一体となったフロアがそこにあった。かなり安心感のある感じの会場とも思えた。前方への圧縮はあった割に、いつもよりもちょっとばかり気遣いがあった様な印象がした。

 

「後ろに椅子を並べています。来てくれているみんなは結構若くない人もいるし、辛くなったら座れる様に楽屋から椅子を6つ持ち出して並べています。私たちのライブは辛いことを要求することも多いんだけれど、体力的にきつくなった人でも楽しめる様にしたいから、それが私たちの目指すライブなのでちょっと休みたい人は後ろで休んでください。決して、あの椅子で椅子取りゲームとかそういうことには使わないでください。」

 

流石にちょっと笑ってしまったけれど、確かにBABYMETALでは弱者対策としてHAPPY MOSHSH’SEATやPITっていうのが存在するし、おかしなことではない。正直客層を見ても若くない連中はばかりだし・・。やられたなって苦笑しながら聞いていた。まあ、それは一瞬でそこからまたW.O.Dからのサークルモッシュで回ったりして正気は失っていったんだけれどね。

 

この物事を続けることが苦手な人間が、5年間もこの絶叫する60度で歌を歌い続けることができた。これは応援してくれているみんながいてくれたからこそ続けることができたわけだし、そんな平成が終わり、令和も今日から始まったけれど、私たちはこれからもずっとそれを続けていく、ずっとここにいるからっていうそんな気持ちを歌った曲を聴いてください、またね。」

 

そういえばワンマンだったけれど、スクワットなどのキツイものは少なかった。腹筋はあったけれどどちらかというとSでゴリゴリに押す様な感じのものはなく、フロアでとにかく楽しみたいっていうことだったのかな?各地を回って、その事情に長けた絶叫ならではの変化なのか、それはそれで良かったけれどね。

 

ワンマンだけれどなんか一瞬で終わってしまった。楽しいことは本当に一瞬で過ぎ去ってしまう。広島で感じたあっという間という感覚は半端なく早かった。

 

「みんなとはいつだってどこにいたって一緒にいたい。私たちはいつも離れてはいるけれど、歌を通していつだって一緒にいられると思っている。もしここの誰かが亡くなったとしたら、そこに出向いてライブをしたいとも思っている。」

 

何か「平成という終わり」と、この「令和というはじまり」がつながる2本のライブを経て、魁ちゃんは何か特別なことを感じたのだろうか?発された言葉に対して、会場では笑ってしまったのだけれど、もっと深い思いがあったのかもしれない。確かに僕ら若くない世代がいなくなってしまったとしたら、取り残されてしまうのは魁ちゃん達若者なので、新しい時代に入ったら、次の世代にもしっかりとアピールしていかないといけないというのもあるのかもしれないし、これまでも、これからもずっと支えてくれているえっふーたちへのリスペクトが色々絡まっての発言だったと思う。それが令和を迎えた新たな心構えの片鱗なのかもしれない。一緒に転げ回る僕らへの強い愛情を感じた。ありがとう。

 

いつまで参加し続けることができるのかなんてわからないけれど・・、長くはないかもしれないけれど、短すぎることもないだろうから、絶叫がでっかくなるところを僕らはきっと見届けるという覚悟はあるよ。きっと今と変わらぬまま一緒の時を過ごす。こんな素晴らしいバンドを手放すわけがない!っていう様な連中ばっかなんだから安心してほしい。ファン層も確実に広がるだろう。きっとね。

 

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令和初日の集合写真(広島)

 

4.エピローグ

僕がブログにライブ参戦したことを書くのは100%そのアーティストへの愛を語っているつもりだし、応援したい、話題にしてより多くの人に広く広めたいという考えがあって書いているつもりなんだけれど、言葉にするとそれが別の意味に読める事も大にして起きたりもする。それが面白いと思えるうちは良いのだけれど、それを書くことでアーティスト側に少しでも負担をかけてしまうとか、あらぬイメージを読者に与えてしまう様なことになるのであれば書くこと自体やめた方が良いのかなとも、悩みながら書いている。ライブ1回目の初期衝動は取り立てて問題はないのだが、こうして回を重ねるうちに、ふと気づくと、かなり深い読込みとなる部分もでてくるし、語られたであろう言葉も僕というフィルターを通した記憶の中の言葉なので、実際に話された言葉ともイコールではない。だからこの語られた言葉のキーワード的な意味で、話のとっかかり的な言葉として書いているつもりだ。読み返してみると、ちょっと違う読み方が出来そうなんてことも大にしてある。それはすべて愛するが故の言葉として思って貰えたら幸いである。それが万一にもバンドにとって不利益を生むことがわかれば、きっと書かない方が良いのだろうなとも思っている。それこそ一回一回のライブにこれだけの熱量と想いを込めて仕掛けてくるバンドなんて皆無だったし、そこが素晴らしい。それこそ応援したいし、広く広めてどんどん動員を増やしてもらえたらいいのにと本格的に思ってしまう。それこそがファン心理だと思っている。これだけライブ数をこなしていても、ライブに来なければ、アピールすらもできないわけで、ファン目線でこんなことを偶にブログに書いている。

一人でも多く絶叫する60度を目撃してくれる人が増えてくれたら良いなぁと思いながら。

 

TM

 

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チェキ(広島)