ミズニウキクサ 意外すぎる激情の鼓動!

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ミズニウキクサ

2019年2月27日

小倉FUSE

 

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ミズニウキクサが小倉にやってくる!もう、ただそれだけで行くしかないと思ってしまった。今日は福岡のバンドThe INCOSと大阪のバンドPOP ART TOWNの新譜リリースツアーでその対バンとしての参加。他のバンドもクウォリティーが高い6バンドで、特に北九州のノンフィクションは、気になってはいたけれど、これ程のモノとは!想定なんかはるかに超えてしまうくらいのインパクトだった。そう、対バンライブの醍醐味はこんな未知なるバンドとの出会いにあるんだよなぁ。このウキウキ感堪らない。そう、シュレディンガーの嘘もミズニウキクサもそんな事でハマってしまったバンド達。ライブは楽しいよなぁ~。

 

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1.浮き草のはじまり

さあミズニウキクサのことを話そう。ミズニウキクサを知ったのは年末の小倉FUSEで愛美さんを偶々見かけたからと言う理由。めっちゃ本人、オーラが出ていて一体誰やねん?何事?と思っていたらバンドの人だったんだね。そんな時友人二人の会話が耳に入ってきた。


ゆだの「あ、ミズニウキクサのヴォーカルの人!」

RYO-CHIN「ああ、ライブ観たことあります。ライブ良かったっすよ。」


この二人の会話は不思議と脳裏に残った。

それと愛美さんのリフレイン、残った記憶は「ミズニウキクサ」と言う暗号に埋め込まれる。それから半月後に訪れたシマレコでその暗号が解き明かされた。「ミズニウキクサ!売れてます!」島村楽器のCDが置かれている一角(シマレコ)にその暗号めいたバンド名の載るポップを見つけた。「散らばる着地点」と言う波打つ水面と弾けた水、そしてモノトーンな佇まいのジャケットがあった。目立たなさそうだけど、そこが返って目立つ。このポップに凄く親近感を感じた。此処にもコアな浮き草ファンがいるのかもしれない。視聴すると喜びが込み上げてくる、巡り会うべくして巡り会った音楽。そんな瞬間、瞬間が楽しい。それが僕の至上の喜び。だからとにかくライブを早く観てみたいと思った。

 

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2.生きること

ライブは破天荒な即興詩人であるバミューダ△から始まり、 And Becouse、ノンフィクション、POP ART TOWNと来たその次、トリのTHE INCOSの手前の五番手がミズニウキクサだった。ハイボールを飲み干して高揚してきたところで幕が開く。下手には愛美さん、上手には横置きのドラムセットとたっくん、後方の暗闇にギターのコウヘイくんがいる。この興味深い闇に突き刺さった逆三角形のフォーメーション。二人は、真っ白にドレスアップされた正装で独特の世界観を作り出していた。奏でるは「落下速度」。「散らばる着地点」の一曲目。この哀愁溢れるメロディーに今日、ライブで観た記憶が足されて、血と肉がついてリアリティを増す。この姉弟が「水面」と「浮き草」。この声・・強い。この波動・・熱い。この愛美さんの声は今、目の前で発された波動。歌は何処までも無垢で透明度が高く、時とともに鋭くに滑り降りてくる。またたっくんの作り出すビートは激しく、波を増幅し、畝りを創り出し、時に飛沫を上げて泡を飛ばす。正にあのジャケットの如く。ただし隠しようの無い色彩が溢れている。抑えることが出来ない衝動が激しく頭を突き動かす。心なしかたっくんのドラムも次第にヒートアップする。やばい、負けそう。大人びた洒落たポップソングと感じていた楽曲も、激しいビートの渦に巻き込まれる。ややもすれば愛美さんのヴォーカルをも飲み込みそうなくらいなドラムが激情のロックに変える。あの細い体で良くもまあ、こんな打ち方ができる。最後の曲「街」はよもやインプロビゼーションかと思うくらい胸熱な激しさが空間覆い尽くす。圧巻!これぞライブ。これこそが生きている証だと思う。

いやー、なんだったんだろうか。圧倒されまくりの30分はあっという間に過ぎ去った。

 

3.続く…繋がり

此処まで感情が揺り動かされるとは正直想定していなかった。終わった時は笑うしかなかった。何これ、熱すぎやろ。あんなにもクールなイメージだったのに、反則もいいところだ。これはまたやばいバンドに足を突っ込んでしまった。ヤバイ!ヤバイ!たっくんのイイデさんみたいなMCも楽しかった。愛美さんの緊張感、伝搬する。(笑)

 

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セットリスト

1.落下速度

2.カシス・ビート・ロマンス

3.新曲?

MC

4.花火

5.エンドロール

6.街

Signs of the Swarm 九州重音祭初参戦の夜

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九州重音祭

2019.01.25

小倉FUSE


僕はグロウルやスクイールに良いイメージを持っていなかったので、大分遠回りをしてしまった。2015年にアーチエネミーを聴いて、ブラックアースのライブを観てからデスヴォイスへのイメージが180度変わり、機会があったらデスメタルをもっと観てみたいと思うまでになっていた。そして丁度一年前くらいのヴィレッジバンガードで、福岡出身のメタルコアバンドPaleduskの新譜Blue Roseの試聴をしてから、地場のデスコアか~、ライブを観てみたいなぁと言う考えが頭をもたげ始めた。そんな偶々が昨年末のツイッター「九州重音祭」を見つけることで成就した。Paleduskが出るし、小倉でやるし、アメリカのバンドも出るみたいだ。正に祭!これは神の仕組んだイタズラではないか?今、これを観ろということなんだろうと受け止めてチケットを探す。しかし見つけたのはe+のソールドアウト。「千載一遇のチャンスは絶たれたのか!神も仏もいないのか?」と諦め掛けていたところにタイミング良くPosthumanityのゆづぽんさんが「チケットお持ちでない方、取り置きしますよ。」と神の一言で救われ、目出度く参戦と相成った。

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その後調べてみたら、九州重音祭は当初の予定から大きく狂ったラインナップとなって、主催者がチケット代を下げて、e+での販売は取り止めて(僕はソールドアウトと勘違いしたが・・。)バンドや主催者の手売りのみになっていたことがわかった。アメリカからの来日アーティストがまだ残っているにもかかわらず、この対バンレベルの販売価格で決行とはすごい!ってか無謀。そもそも小倉FUSEに来日アーティストが来ると言う事自体にも驚いたし、ヘッドライナー、準ヘッドライナーの二者がキャンセルで決行というのも聞いたことがなかった。こんな逆境の中で決行する根性半端ない!MHz Festって何もん?桁違いなプロモーターだわ。もう最高!感謝しかない。


REIGA「今日、九州重音祭にアメリカからバンドを呼んでこんなに多くの皆んなに集まって貰えたのもみんなMHz FestのMARINAのお陰げ。こんな凄いことを今の時代、こんな女社長がやっているんだから!凄いよな。MARINA何処だ!」


まだこの時は実感が湧かなかったけれど、終わってからジワジワとその凄さが感じられる。火の玉ガールMARINA率いるMHz Fest主催のこのイベント、まじで神やった。伝説と言っても過言ではないだろう。それでははじまり、はじまり。(笑)

 

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1.はじまりから伝説

16:00に「再入場禁止」の看板の立つ小倉FUSEに着く。「おいおいフェスなのに再入場禁止とか凄いな。飯抜きだな、こりゃ。」と思いながらの入場。これからここに何時間か缶詰になるわけだ。意を決して中に入ると正面、BARカウンター前にはアメリカはピッツバーグからスラミング・デスコアを標榜するバンド、Signs of the Swarm(SOTS)と長崎から飛び出した今一番勢いのあるデスコアバンド、HOTOKEの物販が並んで出迎えてくれた。特にSOTSのドラゴンボールTEEがオレンジ色で目を惹く。海外でいかにも作った的な日本語TEEすごいなぁ。とにかくメタルコア・デスコア初体験の僕にとっては全てが記念すべき日。とにかく全身で受け止められるだけの音楽を貪欲に受け止めに行く。先ずは全バンドのCDを漁り、特に今回チケット確保でお世話になったPosthumanityはロングスリーブTEEを購入!図案が中で一番好みだったから、デスコア素人の僕でも「馬子にも衣装」的な感じで良き。着替えたらなんとなく和む。16:00開場が押したにもかかわらず、16:30の開演はオンタイム。重音祭は余韻もなくスタートを切った。

 

2.オープニングから激アツ!

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先ずはオープニングアクトのBANEだ。広島から来たデスコアバンド。重音祭に相応しい重低音に痺る。グロウル、スクイールの洗礼をBANEに受けた。音源で聴くよりライブの方が馴染んで聴こえて心地よい。オープニングアクトだからオーディエンスはまだ疎ら。でも乗っけから激熱。特に公演取り止めとなったAversions Crownの「Erebus」カバーには感激した。本当ならば今日、生で聴けたであろうこの曲、染みる。

 

3.いきなりPaledusk!

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続く本編、なんと先頭を切るのはPaledusk。While She Sleepsの来日公演のサポートをした事で記憶に新しい 福岡を代表するバンドPaleduskである。WSSも良いけれど、この福岡出身のバンドが「良かった!」とのツイートも聞いた。BassのJohnが脱退、Ashが加入してから初の北九州公演。いきなり登場するとは予期していなかったから慌てた。ジントニック一気飲み。下手最前(スピーカー前)をキープ。283とAsh側でDaisukeの旋回するドレッドとギターからは距離を置いた形だ。(笑)まあ、凄いのなんの、ノリが段違いだ。こちらもヘッドバンギングで、徹底抗戦。しかしハードコアは乗り方が違う。観客はピットの大きな空間を使ってカンフーモッシュだ。マジで周りを見ずに暗闇で手足を旋回するのは堪らない。前ではDaisukeがギターをブルンブルンさせるし、後ろも狂った様に蹴りだパンチだと忙しい。さっきからばこばこ流れ弾を受けながら最前でヘッドバンギングに勤しむ。音楽的レベルはメシュガーくらいかな?かなり素晴らしいので今後が楽しみ・・とか考えながらヘッドバンギングに明け暮れた。おかげでかなり体はヒートアップできた。

 

4.ドゥームなVictim of Deception

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続いて東京からVictim of Deceptionが登場。 Paleduskの物販を見に行って、上手5列目くらいで観た。ヴォーカルDaichiの急逝で新たにMakitoがくわわった新体制、初の九州公演となる。Makitoはピアスをしたお洒落な甘いマスクだが、スクイールもなかなかのパンチがある。またドゥームっぽい低速、ド重低音なブレイクダウンに全員がヘッドバンギングで合わせる。これが揃っていて豪快!気持ち良い。サブドロップのドゥーン音が連発してどの曲も同じように聴こえる難はあるものの、分かりやすいグループを醸し出して乗りやすかったかな。いろんなバンドがいるなぁ。各バンド個性があって面白い。

 

5.むっちゃ楽しい地場、ULAW

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VODが終わって、Universe Last A Wardにステージが作り直される。流石地場北九州のバンドと言おうか、ステージで組み直している中でもC&Rと言うかお喋りが楽しそう。サウンドチェックが開演時間になっても終わらないのかと思っていたら、いきなり始まった。とにかく楽しい。笑顔が絶えない。敷居が低くてステージ、モッシュピットの分けも曖昧な乗り。グルーブはあって、ショーとしての面白さや意外性は一番高かったと思う。興奮する観客、サーフ、ダイブに、ステージからピットまで縦横無尽な往来が一番めちゃくちゃで楽しかった。ヘヴィーに遊べるって最高だよな。とにかくULAWのライブはパーティーのようだった。

 

6.粋なバンドHOTOKE

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続いてHOTOKEが登場!箱内に客がワラワラと詰まってくる、動員は一番多かったんじゃないかな。ガチガチのデスコア。グロウル、ピッグスクイールが気持ち良い。一体どうやって出してんだよと言う音が目の前で鳴っている。上手2列目くらいで観ていたけれど、REIGAもピットに降りてくるし、モッシュサークルに参加するので僕らも移動する。ぐるぐる回って、下手4列目くらいに落ち着く。またREIGAから一升瓶が観客に渡され、皆んなで一口づつ呑んでは瓶が会場内を渡り歩く。イキな計らい、やる事が規格外で驚く。MCで冒頭のMhz Festの話をしたり、今回フェスでWithin the Ruins、Aversions Crownがキャンセルになったこと、それでもSigns of the Swarmが来てくれたこと等をいろいろ話す。


REIGA「こんな素晴らしい祭りに来ないなんてアイツらも勿体無いことするよな。SOTSは最高なんで楽しんでいってくれ。その前に二匹のデブのバンドがあるがな!(笑)」

 

7.酒浸しのPosthumanity

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日本側のトリは Posthumanityだ。活動歴は長いメンバーが新たに始めたバンドで、ツイッターで何の巡り合わせかこの祭の切符をヴォーカルのゆづぽんさんに取り置きしてもらった。たまたまとはいえ、音的には重低音、ど迫力で最高なデスコア、僕好みだった。音は「Control」だけMVで予習してきたけれど、そんなことより素晴らしい生歌が聴けたのが全てだったよ。HOTOKE同様、本重音祭執行人である Posthumanityは、上位二者のキャンセルの件の謝罪と、本当は福岡で企画していた本重音祭が箱の確保できず、小倉 FUSEに助けて貰った経緯とその謝意を表すなど、主催者らしい弁が並ぶ。そんな硬苦しいMCを激変させたのがREIGAで、いきなり舞台袖に来たかと思うと酒をジョッキにになみなみ注ぎ、ゆづぽんに渡し、一気飲みしろと言う。またギターの荒木さんには残りの一升瓶を渡して、まだ4分の1は入っていただろう焼酎を一気飲みさせた。ステージ上はめちゃくちゃやなぁ。バンド仲間の飲み会にでも迷い込んだかのようなアドリブだった。大丈夫なのか?

8.フレンドリーなSigns of the Swarm

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会場の盛り上がりが高まったところでアメリカはピッツバーグからやってきたスラミング・デスコアのSigns of the Swarm(SOTS)が登場する。VocalのDave SimonichはデカくてFUSEのコンクリート梁に頭が軽く届いてしまう。パフォーマーにとっては厄介なFUSEの梁、しかしそれも上手く避けて圧巻なパフォーマンスを僕らにみせてくれた。Daveのスクイールは誰とも違うし、ゾクゾク来る声だった。そもそもが人のものなのか?と感じたりもした。

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ライブの時はこれでもかとガンガン攻めてくるDaveも、ライブ後は満面の笑みで優しい。快くCDにサインをして一緒に写真も撮ってくれた。SOTSは昨年6月にヴォーカルがCJ McCreeryからDave Simonichに変わっている。Lorna ShoreのTom BarberがソルトレイクのChelsea Grinに移籍したので、その空いたポストにMcCreeryが入り、SOTSのヴォーカルにはDaveがなった。アメリカならではのステップアップ移籍で、どちらも面白い逸材だった為、好意的に受け入れられているようだ。

DaveのONとOFFの切り替えが凄くて、あれだけライブ中は狂気に迫る表情で強面だったのに、物販にやってきたDaveは満面の笑みで完全に別人のよう。完全にやられた。

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またCory SmarshとCollin Barkerも後からやってきて、一緒に写真を撮った。みんな凄くフレンドリーで楽しい。皆んなとても充実した感じだったし、次作が期待される。どうな感じになるのかが楽しみだ。

 

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9.終演!
こうして無事、九州重音祭は終演した。16時から22時までの濃厚な6時間は一気に過ぎていった。また来年もあることを期待する。家に帰ってCDを聴きまくりましょう。

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絶叫する60度 MCに落ちた北九州の夜

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絶叫する北九州

2019年2月9日

小倉FUSE


1.漸く・・

実は絶叫する60度を知ったのは2015年秋頃だった。メタルが好きな友人から「メタルじゃないけれど面白いバンドを見つけた。」と言って紹介されたYouTubeタワレコのインストアイベントだった。なんとインストアイベントで、しかも演者がサーフをすると言うもので、しかも女性で!っていうことで、かなりの衝撃を受けた記憶がある。その演者がこの絶叫する60度の魁ともんてろの二人だった。音楽はパンク寄りのロックで、観客との一体感が映像でもすごいと感じた。続けて観た目黒鹿鳴館のフルライブ映像もガンガン攻め込んで来る。ライブは本当に凄いんだろうなと思った。しかしその時発売された「Only Place You Can Cry e.p」がどうしても好きになれなかった。そんなことでなんとなく絶叫からは距離を置くことになってしまった。それでも友人達がツイッターでライブの感想を呟く。ベビーメタル界隈では常にその名前を轟かせる絶叫だから、ライブは行ってみたいと言う思いは持ち続けていた。そうは言っても平日は動けない。そして昨年秋に「絶叫が北九州でやるので行かない?。」とKANEさんからお誘いを受けて、どうせど平日だろうなぁ~と気持ち半分で調べると目が点。「小倉FUSEで土曜日!」おい、おい、余裕で行けるやないかい。そんなんで今回の参戦を決めた。

 

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2.ライブ前

土曜日の小倉。九州各所からここ小倉に果敢なるえっふー達が集結する。小倉A級ストリップ劇場などが集まる一番ディープな界隈にある居酒屋白頭山京町店に20人近くのえっふー達が集まって昼間から宴を催している。ライブの始まる前からの大宴会。開場時間まで手酌の100円生ビールでガンガン宴は行われていた。そんなイケイケの雰囲気のまま一同小倉FUSEに移動、えっふー達は思い思いのTシャツを会場で装着する。

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絶Tが集まると、かくも壮観な風景になるのか~。初見から見るととても神々しくて近寄りがたく感じる。ところが当のえっふー達はみんな気さくに「全然そんなことないから。初見は前でしっかり観ていって。みんな優しくて初見には手厚いから。」と優しい!


そして実はえっふーのほとんどは知り合いなのだ。実にベビメタからの流れが多くて。初見でもベースは同じ。メイトは須らくえっふーになるポテンシャルが高いと思っている。・・が、それをこれから実際に身をもって体験することになるのであった・・。


3.そうだ皆んなに聞いてみよう

本公演は「絶叫する北九州」と名を打たれて、かくも方々からツワモノ共が集まっている。TLでは「北九州は特別な場所。」との呟きを見る。初見からしたら何故名古屋の連中が北九州を特別視するのか?一体全体いつものライブと何が違うのだろうか?皆目見当がつかない。


TLで演者である魁たちが北九州への想いを呟く。ん~、深い。深すぎてわからないけれど、我がマザープレイスの小倉が持て囃されている。嬉しいじゃないか!


そんな深いことは初見の僕にわかるはずもないが、これだけ人がいるんだからみんなに聞いてみるっててはあるよな。雑にだが聞いてみる。


「いつもと違うところ?そりゃ、ワンマンだってことじゃないの?ワンマンは初めて、楽しみだわっ!」


ライブ数は多いがワンマン公演は未経験という人もチラホラいた。いつもは対バン公演の為、やれる曲目数はそんなに多くない。なるほどね。


「何回か通って漸く聴けた、そんな曲も今回のワンマンでは一気に聴ける。バラード三曲が1ライブで聴けるのはワンマンならでは。こんなことってなかなかないんだからね。」


なるほど、初見には完全に消化不良だけれど、楽しみには変わりない。今んところはそんくらいか~。じゃあもう1つ。えっふーは背中に絶の字を背負っているけれど、見回すと別の文字もある。「超」、「壊」の文字は一体どんな意味があるのだろうか。


「壊Tは魁ちゃんの生誕祭の時のもの。超Tは別のグループのじゃないかな。」


なるほど、いろんなTシャツがあるんだ。絶Tの漢字一文字はかなりインパクトがあってこれが集まると相当な威圧感となる。そんな感じで色々聞き回っていたら開演時間になっちゃった。

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3.開演


「おはようございます!」

「絶叫する60度です!」

ライブが始まった。ステージと会場のテンションが異常に高い。特に目まぐるしく変わる振り付け、これはレジェンドと呼ばれるえっふー達の独壇場。振りが熱い!モッシュが熱い!流石えっふー!流石絶叫する60度!これはとても歯が立たないわ。この凄まじい光景にドン引きの自分が幽体離脱して上部2mくらいのところからドローンと化した我を想像してふわふわと漂っていた。すると魁のMCになる。


魁「絶叫する60度は4年振りに、やっと帰ってきました。本当に小倉は私たちにとって特別な場所なんです。これまで全国47都道府県を周って全国でライブをしてきた。でも何か足りないと感じていた。そう、私たちが全国を回るきっかけとなったここ北九州がなかったから。私たちは知っている、北九州は福岡とは違う、48番目の場所だってことを。私たちはあの四年前にここ小倉に来て、元気玉を貰って秋田とか全国にたびすることになった。こんな事をツイッターで呟くと他の県の人が何で?って言って炎上するんだけれど、そのおかげで、もっと熱くなってくれるようになったりして良い効果もある。」

 

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この神ってるMCで我を忘れた。今はもうこの歌に全てを捧げよう。絶叫する北九州を狂気の渦にしてしまおう!気づいたら二列目のドセン近くにいて両手の拳を掲げていた。

ライブ中に何度もMCが入り、その言葉を聞くたびに涙し、熱くなる。これほどのものとは全く想像できていなかった。初見すぎて曲だってあまりよくは分からなかったわけだが、楽しいし熱くなれる。ただ一曲だけこれはと思った曲があった。「T字路」何故かジーンときた。


モッシュがあり沢山圧縮、サーフがあった。しかし、魔法の言葉が全てを覆い尽くしてしまう。ライブはいろいろ観てきたけれど、これは怪物、年間300本もやるとこうなるのだろうか?聞いてないよ?聞いてない。おかげで、ライブ後のチェキも沢山楽しんだ。もんてろ可愛い!魁ちゃん可愛い!ライブ以上に時間がチェキにかけられる。一人当たりの時間が半端なく長いから結構話ができた。


こんな伝説的なライブが初めなんてやばくない?激ヤバだと思う。ああ、想定はしていた、いたけれども、これは凄すぎたよん。

 

もんてろ「なんとかMETALって人ばっかりなの知っているんだから。だけど良いよ、それでも観にきてくれて一緒に歌ってくれているから。有難う!たのしかった。」

 

もんてろの言葉通りなんだけれども、1つ言えることはメイトは絶叫する60度に絶対に落ちる可能性が高い。そう確信した夜だった。

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ちゃーはんさんの書かれたセトリ

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LOVEBITES 初来福、安定のヘヴィーメタル!

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LOVEBITES CLOCKWORK IMMORTALITY
TOUR IN JAPAN 2019


FUKUOKA DRUMSON
2019.02.10


1.プロローグ

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昨夜の絶叫する60度でヒートアップした体が痛い。本格的な冬の冷え込みが到来した暖冬の福岡。まだそれでも東京よりはその冷え込みは緩やかなようだ。今日、とうとう待ちに待ったLOVEBITESが福岡にやってくる。これまでライブは東名阪のサイクルを繰り返してきたLOVEBITES。メタルを愛する者として「一度はライブを観て体感してみたい!」そう思っていた2017年、前作Awakening from Abyssが発表されたにも関わらずライブは東名阪しかなかった。その代わりANTHEM等の大御所バンドとのライブやワールドツアーも敢行、海外からもひとしきりの評価を得て新作CLOCKWORK IMMORTALITYが製作された。そんな状況ゆえ、国内ツアーが発表されて福岡公演が実現するなど考えもしなかった。突如発表されたCLOCKWORK IMMORTALITY TOUR IN JAPAN 2019。箱はDRUMSON!キャパ200。今、飛ぶ鳥を落とす勢いのあるLOVEBITESが何故DRUMSONなのかと思ったりもしたが、よく考えればこの箱で結成30周年のOUTRAGE、10周年のHer Name in Bloodや初福岡ワンマンのNocturnal Bloodlustなど素晴らしいバンドの記念すべき公演を目の当たりにした。箱の大小なんて関係ない、ただ楽しむだけだ!そう思い発売早々にファンクラブ登録、チケット申し込みで当選、47番という良番をゲットした。チケットは福岡にしては珍しく、早々にソールドアウトとなる。箱が小さいから当たり前ではあると言えるけれど、冷え込む市場にソールドアウトっていう響きは心地よい。福岡が一気にソールドアウト、LOVEBITES待ってました。


2.ライブ待機

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会場には例によって午前中に着く。「そんなに早よから何するんじゃ?」といつも着いて苦笑するのが通例だが、意外にも会場ではもう準備が始まっていた。今夜の公演「LOVEBITES CLOCKWORK IMMORTALITY TOUR 2019」の文字も既に掲げられている。「ちょっと、SON、やる気満々やない?(笑)」前に別の公演でドラムロゴスに午前中に来た時は看板どころか何も動きがなかったから今回のSONがめちゃ早く展開しているのはいい感触だった。「物販は14:30から。」LOVEBITESのツイッター公式で既に知らされてはいたが念のためにスタッフに確認した。一度場を離れて仕切り直す。物販開始15分前の14:15に舞い戻ると既に物販待機列は20人くらい並んでいた。開始時刻の14:30には50人くらいの列となっていた。開場までさほど時間なく、ロッカー、着替など予定は詰まっている中で、なかなか進まない待機列に気を揉んだが、なんとか15:00頃には無事、限定TEEとロンTEEをゲットして装着することができた。今日は日曜日だからか開場が16:30と早い。スタートが17:30だ。実はこの日はビジュアル系のバンドのライブも控えているようで、SONは大忙しだったようだ。ライブ終了して外に出るとその待機列がライブハウス前をぎっしり取り囲んでいた。


3.SEからライブ開始まで

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入場して、ドリンクは後回しでMiho前三列目をゲットした。まさかこんな場所が取れるなんて思ってもいなかったから感激した。目の前にはDESTROSEの頃から愛用のMihoの空色のEPS BASSが置かれている、MidoriのE-Ⅱやはるぴーの星型のシンバルとCLOCKデザインのバスドラ、AsamiのマイクにMiyakoのキーボードとDeans Guiter。バックドロップはアルバムジャケットの真っ青なやつが掲げられた。入場してからいっとき時間が空いたのでSEに耳を澄ます。「ポリスの「Message In A Bottle」が鳴る、違うマシへ?今度は「ホーリーダイバー」か、ディオ?、違う、うぉー!キルズウィッチ・エンゲイジ!!、続いてWalk!! PANTERAのカバーをA7Xを歌ってる!」なるほど今日のMihoセレクトはメタルカバー曲集、SEからこんなに盛り上がるなんて!やっぱMihoやるわ。おかげで待機中もめっちゃ楽しめた!すると客電が消え歓声が会場中に響き渡るとナレーションが入り、The AwakeningのBGMが鳴り響きメンバーがステージ上に登場する。記念すべき福岡公演の一曲目は最新アルバムCLOCKWORK IMMORTALITYからAddictedでした。*注1これだけ話題になりながら、地方へなかなか周ってこなかった。ロックバンドではなく完全にヘヴィーメタルバンドというある意味珍しい立ち位置のバンドだから福岡の皆は今回の待望の来福を心から祝っていた。


4.ライブ!昇天!

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ほぼ二列目の位置から目の前のMihoのベースを観る。Mihoは中でも激しく動き回る。特にベースギターを上下に振りながらのヘッドヴァンギングは圧巻だ。ロン毛が旋回する様が80年代の古き良きメタルのライブを思い出す。なんか凄いというより、落ち着く。ヘッドヴァンギングしながらサビを口遊む、Asamiのどこまでも伸びるしなやかなハイトーンヴォイスに共感して居ても立っても居られない、そんな喜びが心の底から湧き出してくる、そんな歌が目の前で歌われる。そしてMidoriの荒々しく暴れまくるギターソロが至近距離50cm程度の場所で見られる。小さい箱はどうだろうかと訝しがっていたが、こンな距離感でライブが見られるなんて思いもしなかった。この3人が至近距離で入れ替わる様はもう最高としか言えない。中央下手寄りMiho前は楽しすぎる。皆圧縮の中ジャンプしたり合いの手を入れたり、折り重なって感情の高ぶりで狂気したオーディエンスは両手を広げて体全体で音楽と一体化する。Midoriが二、三曲弾き終わる毎にピックを不意に投げるとまるで餌を奪い合う魚の群れの様に会場が隆起する、興奮度合いがハンパない。ピックは手に当たるも全て弾くだけで取ることはできなかった。とは言えそんなことはどうでも良い。兎に角この僕のいるポジションはそんなことを屁とも感じさせないほどに素晴らしいポジションで最高過ぎる。ほぼ視界を遮るものがない、だからドラムに埋もれるHaruna嬢もよく見える。曲が終わるたびに星型のシンバルを回して遊ぶ姿が時折シュールに映るがそのキュートさは完全にツボにはまる。美しく光り輝く時計の様なバスドラ、その青白い光がCLOCKWORK IMMORTALITYのバックドロップと絡み合って綺麗だ。上手にはキーボードとギターを操つるMiyakoがいる。表情が余り変わらないクールビューティーのMiyako、Midoriとは好対照な二人のギターヒーローが美しいギターソロを奏で競い合う。そこに負けじとMihoも前に出て会場を沸かせる。興奮が異常値に達する、すごいな福岡!。やはりLOVEBITESでこのSONの距離感はヤバすぎたのかもしれない。帰宅した今でもその興奮が冷めることはない。今日のライブのハイライトはやはりアンコール一曲目のEpilogueだろう。Midoriの暴れまくるギターに手こずっているかのような格闘の末、ゲーリームーアが乗り移ったかのような激しいソロが天に上り詰める。もう全身鳥肌が立つほどの感動がそ襲う。来てよかった。観ることが出来て良かった。本当に感謝しかない。ありがとう!また福岡に戻ってきてほしい。そしてまた感動のライブを僕らに届けてほしい。

 

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LOVEBITES CLOCKWORK IMMORTALITY
TOUR IN JAPAN 2019


SETLIST

 

1.Addicted

2.Bravehearted

3.The Crusade

4.Pledge of the Saviour

5.Rising

6.Scream For Me

7.Break The Wall

8.Shadowmaker

9.Above The Black Sea

10.Empty Daydream

11,M.D.O

12.Journey to the Otherside

13.Edge Of The World

14.We the United


Encore: 

15.Epilogue

16.Don't Bite The Dust

17.Under The Red Sky

*注2

 

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LOVEBITESは結成して三年しか経ってないバンドではあるがなんと世界最大級のヘヴィーメタルフェスであるヴァッケンやブラッドストックに出演し、ワールドツアーも行ない、METALHAMMERのGolden Gods AwardでBEST NEW BANDを受賞している。ロックでも、アイドルでもなく完全なるメタルを主軸に据えたガールズメタルグループであり、容姿からは想像しにくいほどの実力に裏打ちされたバンドである。リーダーのMiho(B)とHaruna(Dr)は元DESTROSEで活躍していたアーティストであり、その二人のところにAsami(Vo〕、Midori(G〕、Miyako(G〕が合流してできたのがLOVEBITESである。

 

 

*注1.シンメタルさんにご指摘いただきましたので修正しました。ありがとうございました。

*注2.シンメタルさんのご指摘に基づき差し替えました。

 

シュレディンガーの嘘 -エロスを纏う猫に酔いしれる夜-

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シュレディンガーの嘘

小倉FUSE

2018年12月29日

 

昨日から漸く冬らしい寒さが到来し、雪がちらつく小倉に、1年とちょっとぶりにやって来たバンド、「シュレディンガーの嘘」のライブに初参加してきた。

ライブは5バンド対バン形式で来年解散するバンドがトリで、「シュレディンガーの嘘」はその前の実質的なトリとして参加していた。(実際にアンコールをやったのはシュレディンガーの嘘だけだった。)始まった途端に空気が変わり、盛り上がりを観せた。「百聞は一見にしかず。」正にそれはこのバンドにこそ冠として付けておきたい。そんな魅惑的なバンドが、この「シュレディンガーの嘘」と言うわけだ。

そもそものバンド名からしてミステリアスだ。一体どうして「シュレーディンガーの猫」ならぬ「シュレディンガーの嘘」なんて名前なのか。そしてファーストアルバムにそれとはかけ離れた枕詞が踊っていた。そう、「風俗系ロックンロールバンド」を標榜する鹿児島県の番犬三匹と卑猥なショーガールからなるバンド、それが「シュレディンガーの嘘」なのだそう・・。クールで弾け切った軽快なロカビリーからは想像を絶するほどのエロスを纏うぶっ飛びのパフォーマンスが目の前で展開される。ここは本当にFUSEなのだろうか?小倉A級劇場の間違いではなく?そんな衝撃のステージに体が疼く。音楽、パフォーマンス共に一流、なんと言う個性、なんと言うポテンシャル、しかしそれに見合わない動員。聞けば一年近くの休止期間があったとのことだが・・。こんなに凄いバンドが燻っているなんてことあるわけがないじゃないか。今日見に来た僕らは突然の感動に打ちひしがれている。今まで味わったことのない音楽性、これは皆んなに知らせないといけない。僕らだけで楽しむ、そんなバンドじゃないよ。そう強く思わせたバンドだった。

 

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そうだなぁ、例えるなら椎名林檎の「歌舞伎座の女王」の初期衝動に近い。「卑猥な歌詞」と「コスプレ」と「美しさ」。あの衝撃をより熱く、激しくしたのがKANARIA嬢の佇まいと感じた。だから後続のEGO-WRAPPIN、サンタラ、キノコホテル等に正にど真ん中でヒットするのだけれど、どうやらこのバンドのリアリティは、そんなところからは、もう完全に飛び抜けてしまっている。それほどの個性と九州らしいブルースをがっつりと聴かせてくれる。なんと言ってもここは北九州。ギターがザ・ルースターズ花田裕之を彷彿させる。Yo-heiのグレッチがダイナミックかつクリアな響きをもった音に昇華して、軽く30~50年の時空を超える。ゼップからジャニスまで、古き良き時代のサウンドがそこに生々しく詰め込まれていた。これぞ平成の最後を飾るにふさわしいサウンドではないか。そう、そしてそこに絡みつくKANARIA嬢のハスキーヴォイスはまるで'68年、ビッグブラザーを従えたジャニス・ジョップリンの様に、一度その声を発してしまえば、彼女のいる会場を完全に制圧してしまう程の、唯一無二な歌声で、レインボーの様なバンドの突き抜けたインプロビゼーションにも一切負けることはない主張の強い歌声だ。「永遠に時が止まって仕舞えば良いのに!」初参加だからだろうか?そう、興奮の中、ずっと思っていた。きっとここにいる皆んなの気持ちは一緒だったに違いない。

 

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小倉FUSEの真っ白な緞帳の裏からまるで70年代なサウンドが聴こえてくる。そうだな、レッド・ツェッペリンの「ハートブレーカー」でも始まりそうな音合わせが聞こえてくる。

今回、事前情報はほとんど入れていない。MVは見たけれどあまり情報は入って来なかった。BAR SDRで音源を聞いた時も気になったのは音ではなく、それを紹介してくれた人たちの熱さだった。これは一度ライブを観る必要がありそうだと強く感じた。そのライブがこれから始まるのだ。

 

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Shimoのベースが先頭を切って鳴り響く。ソリッドな音が全ての音を牽引する。僕らはどうしたってはじめはベースの音を探すのだ、ベースがしっかりしてこそのバンドサウンドなのだ。その安定した図太い軸芯の周りを激しくギターが暴れても問題ではない、要のベースはぶれることなくYo-heiのギターを支えている。両足を開いてギターを立てて引き倒すYo-heiのギターソロが進行を見失わない、そんなベースサウンドがここにある。

 

小倉の1曲目はファーストアルバム、セカンドアルバムの両方に収録されている「R.B.C.」からはじまった。R.B.C..は「Red Bitter Chocolate」の略でありファーストは「血の滴るリストカット」や「精神的抑圧で追い込まれる様」を形容する曲だったが、セカンドはその主題を大分抽象化したようだ。しかしそれでもこの曲はシュレディンガーの良さがぎっしりと詰まっていて、名刺がわりの一曲とも言えるのではないか。

 

続く2曲が三枚のCDには未録の曲であった。新曲なのだろうか?今回初参加の僕にはそんなことが分かるはずもないが、聴いた印象は特に3曲目がジャニスっぽいハイトーンシャウトで問答無用でハートを鷲掴みにされた!

MCを挟んで「ノーマジーン」だ。MVで洒落たAORで魅せた音も、ライブではファンキーなYo-heiのギターでその味を深めている。やはりこのバンドの真に迫る迫力はフィルムでは表現しきれない。全身で感じる音の波動。フィルムで一体化することでお互いの波を打ち消しあうかのような不可思議な波動特性が現れる。そんな音もライブ会場と言う音場では異常値をしめす。あたかも一つ一つの波がそれぞれの意思(波長)で暴れていて、理論では起こり得ない音として耳に届く。生き生きと波打つ波動は理論物理学パラドックスの形容としての「シュレディンガーの猫」さながら・・。その猫が放射線からも、青酸ガスからも逃れて、生き生きと動き回って僕らの体の奥底から湧き上がるヴァイプスを引き出す。まるで猫が媒体と化して僕らの中に出たり入ったりして体が本能の迸りのように激しく、上下の振幅運動を繰り返す。

おそるべしシュレディンガー、享楽の音楽に暫し我を見失う。

 

そして気づいた時には最後の曲、ファーストアルバムの弾けるロカビリーナンバー「She's Boogie」だった。

終わるとバンド全員がベース、ギターを鳴らしっぱなしで放置しながらバックステージに下がる。汗だくになりながらも貪るかのようにまだシュレディンガーを求める。トリではないのだけれど、アンコールのクラップが起こり鳴り止まない。バンドはステージに引き戻され、最後の享楽として「Miss Catwalk」が演奏される。

 

そういえば、今日はロカビリーな曲が続く。北九州にはザ・ルースターズがいるのでこんなセトリだったのだろうか?

対バン形式だから曲数は限られる。早くワンマンがみたい。ワンマンをやるためにはもっとバンドは知名度を上げていくしかない。この音の素晴らしさは圧倒的なのだから。

 

是非、一度デリバリーを、味わってみてほしい。熱い燃え上がりがそこにあるから。

 

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セットリスト

1.R.B.C (黒)

2,Spicy ginger lemonade 新曲

3.Drunker's session 新曲

-mc-

4.Norma Jean

5.Puttanesca!!!

6.She's Boogie

EN:

7.Miss Catwalk

 ※セットリストはKANARIAさんtwitterからご提供いただきました。ありがとうございました。

 

首振りDolls 楽しいお別れがしたい! ああ!ジョン小倉最終公演!

TRASH ART WORKS SILKSCREEN POSTER EXHIBITION 2018 

KUBIFURI DOLLS DESIGN

2018.12.15

小倉CHEERZ

 

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1.会場到着から開場まで

朝も早よから興奮気味に会場を訪れる。快晴!良い朝だ。今日19時から始まる展覧会&LIVEに参加すべく小倉CHEERZに来た。当然12時間も前に来たって、店どころかビル自体が開いてない。そりゃそうだ。

それから2時間後に行って撮った写真がこの写真たち、アホや。(笑)

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結局、それから昼飯を食べてから会場に戻ると一番乗りのミニさんがいた。それからカントク サトシさんが来られて今日の展覧会のことを聞いた。ミニさんが常連中の常連だから割と真面目に話してくれたようだ。 


Q.ジョンさんが脱退しますね。

カントク「ジョンの発表があまりにも突然だったからね、他の仕事そっちのけで来ているから、仕事が遅れたよ。キングとの契約以降、安定していたから、まさかの発表だった。NAOと学生時代からの仲だったしまさかって感じだったよ。」  

Q.シルクスクリーン作品にNAOやジョニー単独の絵がありますが、ジョン単独の絵はないのですね。

カントク「ジョンが嫌がるから無いんだよ。そうじゃなかったら描いてるさ。だからジョンは三人の絵になってしまうんだ。」


結局、あまりにも突然の脱退発表は関係者にとっても突然で引き返す事のできないなものだった。


Q.26日のキースフラックが最終になります。ジョンの最終公演に何かされますか?

カントク「ジョンは普通にやって終わりたいって言うんだ、だから普通なライブになるだろうね。」


この脱退に関してはジョンの強い意志がそこに働いているようで、関係者一同、それ以上のことは何一つ語たることはなかった。

とは言え、今日のライブのようなことはアドリブで起こるんだろうな〜ぁ。


カントクさんは15時になっても開かないCHEERZと届くはずの展覧会の絵が届かないことにかなり焦っていた。


カントク「最悪、宅急便の紺屋町店まで取りに行こうと思ってる!(苦笑)緊張しすぎて寝れてないし、今日のイベントはどうなるのかわからない。(爆)」

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そうこうするうちにCHEERZは開いて、関係者も順次到着する。宅急便も届いた。
その後、ミニさんの連れの方々や水連さんらの広島からのグループが次々に到着する!今思えば、良くあの女子グループにうざい男が混じったなと思ったが、話がめちゃ楽しくって時間はあっという間に過ぎていった。本当か?(笑)


それにしても長く、寒い階段室の中4時間半もの時間良く耐えた、本当に寒かった。漸く漸く18:30となり中に入ることができた。場所は間口が狭く六人しか並べない最前の下手、ドラム&ボーカルNAOの真ん前だ。手を下手に伸ばすとドラムセットに当たる距離感。実は8月25日の首振りDollsのスキッゾイドマンとの対バン公演の時も早くから並んで、最前で観た。なんと小倉CHEERZでは初参加から二度に渡り最前で観ることになったわけで、特別な場所だなぁと思う。

 


2.開場からライブペインティング

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さて、場所を確保してからは飾られたシルクスクリーンを見る。まずはDJ TEPPEIの音楽とMCの中、TRASH ART WORKSのカントクことサトシさんによるライブペインティングが行われた。話には聴いていたけれど、初めに描いている絵と最後に出来上がる絵とはまるで違う。書き出しはスカルヘッド。描き終わりはNAOという、絵をこれだけ短時間に書き上げる事の凄さとエンターテイメントとしての面白さがそこにあった。僕はその筆運びをみながらハンバーガーを口に頬張った。花より団子か!(笑)

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3.首振りDolls ライブ

なんせ20:00から20:30が首振りDollsの演奏時間だという。30分って・・そんな短期決戦的なライブとして始まったが、結局、バータイムも使って、割としっかりしたライブだったように感じられた。アンコール1回目でジョンからの脱退の挨拶があり、その後「イージーライダー!」。アンコール2回目はジョンの「粉雪」熱唱となる。締めは恒例のキッスの曲、今日三回目で最後はジョン1人で締めた「God Gave Rock And Roll To You」、最高だった。


God gave rock'n'roll to you,

Gave rock'n'roll to you

Put it in the soul of ev'ryone


神はロックを授けてくれた

ロックを授けてくれたんだ

皆んなの想いを乗せたロックを!


God gave rock'n'roll to you,

Gave rock'n'roll to you

Save rock'n'roll for ev'ryone


神はロックを授けてくれた

ロックを授けてくれたんだ

ロックを皆んなの為に残してくれたんだ


ジョンのハートの中に地元小倉のロック魂が届いたかな?最高のライブだった。きっと深く突き刺さったと思う。きっとね。

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セットリスト:

ニセモノ

嫌ダ!!

首輪

蜃気楼

悪魔と踊れ

ロックンロール

タイムマシーン

encore1:

ジョン、脱退挨拶

イージーライダー

encore2:

粉雪(ジョン)

 

 

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4.アルコヲルクラブ ライブ

NAOが言うようにさっきのジョンによる最高のエンディングからアルコヲルクラブのライブに繋げるのはハードランディングでかなり厳しくて、グダグダ感が終始付き纏う。まあ、そんな飾らないアコースティックギグがアルコヲルクラブたる所以。前回8月24日にMR,LEFTY'Sでのライブを観たけれど、セトリはほぼ同じだった。基本的に首振りDollsのおとなしめの曲とカバー曲をアルコヲルクラブではツインのアコースティックギター演奏する。NAOは真っ黒な衣装に身を包み、マイクの前に立つ。超絶細い。女性以上に女性な出で立ちにうっとりする。ジョニーはNAO曰く「大学四年生の先輩でこんな奴いた!」さわやかな水玉模様のスッピンで、中々良い感じだ。またもう1人のギターのカワちゃんは大分酒が入っていてグダグダの元凶となる。

そんな三人のキャラが面白くて酒がすすむ。

NAOさんの声の良さが引き立つギグだった。


セットリスト:

罪と罰椎名林檎カバー)

少女地獄

切花

嫌んなった(憂歌団カバー)

ロックンロールウィドウ(山口百恵カバー)

ルイジアンナ(キャロルカバー)

 MC

タイムマシーン

 

 

 

Crossfaith! 胸熱なソールドアウト公演!

Crossfaith World Tour2018

(後編)

Guest: 10-FEET

2018年12月9日

 

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3.Crossfaith登場!

10-FEETの、余韻が残る中、観客の入れ替わりがある。10-FEETファンの京都大作戦TEEの一団は休憩に下がり、変わってクロスフェイスTEEの面々がピットエリアにどっと押し寄せる。暗転したステージの奥には「EX_MACHINA」のバックドロップが怪しく光る。このアンドロイドが、さも息を潜めた刺客のように我々の行動を監視しているかの様にも見えた。いよいよクロスフェイスのライブに突入する。

 

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暗がりの中、ステージ上は10-FEET機材の解体、クロスフェイス機材の組み立てが忙しく行われている。スピーカーから何から全て入れ替えだから、相当に骨の折れる作業だ。そんな中、TeruのMIDI機材がいち早く据え付けられてスイッチが入る。開演までのカウントダウン・プログラムが始動した。


「Live Starts 20 minutes・・」 

Tatsuyaのやたら背の低い真っ黒な太鼓セットが据え付けられる。かなり異様だが、見通しは良さそうだ。太鼓のサウンドチェックが始まる。

 

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「Live Starts 10 minutes・・」 

会場も密度が増す。どこにいたんだとばかりの観客がピットを圧縮する。10-FEETの客層と違い、全身真っ黒な連中が暗闇を前に進む。

 

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「Live Starts 5 minutes・・」 

機材設置とサウンドチェックはとうに終わっている。後はこのカウントダウン・プログラムの終了を待つだけ。BPMが加速して、超高速化する。もはや音の単なる反復運動となりノイズと化して最後にSUB DROPのドゥーン!という重低音が会場に音波として響き渡る。その瞬間に客電が落ちて大きな歓声と共に其処彼処からのハンドクラップの坩堝となる。そして「Deus Ex Machina」が始まるとステージにバンドメンバーが現れる。


Hiro、Tatsu、Kazukiと登場し、Teruがお立ち台で観客を煽る。そしてKoieが真ん中のお立ち台の上に身を乗り出し気味に立ち、大旗を振る。真っ暗でまるで見えないが、前の方では歓声が激しくなり、僕らも興奮して堪らずさけぶ。「ウォー!」

「カモーン福岡!カモーン!」

水でも被ったかのように汗だくのKOIEが叫ぶ。激しく観客を煽るTeruが跳ねる。

お立ち台に立つダブルヴォーカルにスポットライトが当たり、リミッターを振り切った超ハイテンションのMCが暴走する。

「行けるか!福岡!。福岡!かかって来いよ!」

 

4.また一歩高みへ!

攻撃的な掛け声がKOIEの代名詞。それ自体は変わらないが、表情は思いの外、穏やかだった。なんと言っても、ソールドアウトしたんだぜ。前回のNew Age Warriors Tourはソールドできなかった。あの悔しさが、ここで成就したかのような清々しさだ。福岡DRUM LOGOSでKOIEはその時「悔しい!」と語っていたから感激もひとしおだろう。嬉しさが全身から溢れ出ていた。

畳み掛けるかのように猛烈な勢いの楽曲が続き、引っ切り無しにサークルができる。一曲で5mくらいのサークルが三回出来る。その度に起こるウェーブのような圧縮。想像を上回る高速回転にゾッとする。力余ってんな〜ぁ。飛ばすな~ぁ。このテンションで最後までいくのがクロフェだから、やりすぎると身が持たない。モッシュでも中には手や足を振り回す喧嘩モッシュする者もいて要注意だ。そんなこんなでなか中々中には入れない。「Dx Overdrive」が終わったあたりで暗転し、バンドは一度バックステージに下がる。再びステージに戻って来るときには皆、片手に各々ウィスキーやバーボンを持ち、ラッパ飲みしながら戻ってくる。観客にも浴びせかけるから会場中が酒の匂いで充満する。すると突然、ペットボトルがステージ上から飛んでくる。「振る舞い」なのか「暴挙」なのか、空中に高く投げられたミネラルウォーターが、観客を急襲する。一瞬ひゃっとしたが、見事なまでのキャッチで再び時が動き出す。若さあふれる強者が集まっているから毛頭問題ないのか?みていてヒヤヒヤしたが、過ぎて仕舞えば忘却の彼方となる。お立ち台に座ってビール片手にKOIEのMCがはじまる。

 

「福岡はトライアングルや振替公演で結構きているんで久しぶりではないんだけれど、こんなに集まってくれて素晴らしい!ありがとう!」


珍しく上機嫌なKOIEが、嬉しそうに話しを続ける。


「今日は対バンに漸く10-FEET をお迎えできました。ちょっとしゃべっていい?10-FEETと最初に会ったのは 、タクマさんに京都大作戦に出たいって逆オファーの電話をしたのが最初で、その前にロットン・グラフィティーのN∀OKIくんにタクマさんを紹介してもらって、タクマさんに「わかった、気持ちはわかったから・・」とうながされて・・、その電話からクロスフェイスが京都大作戦に出るまでに5年間がかかりました。(爆)それくらいあの丘は高いのだと思います。だからこの対バンも決まった時から楽しみで楽しみでしょうがなかった。」

 

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「それとさっきタクマさんが10-FEET のライブでもクロスフェイスのTeeシャツもダイブしてくれると嬉しいって言ってたけれど、俺たちも京都大作戦のや10-FEET のTeeシャツのお前らがダイブするのは大大歓迎です!(拍手)

 

じゃあここで今日のライブの成功、このツアーの成功を祝ってこのビールを開けたいと思います。(マイクを缶ビールの口に近づけて)カッチッ!おー!大歓声の中、

「ASAHIさん、CMオファー待ってます。(笑)」


「福岡!行けますか!今日はあの人らをこえていかねばならんのだ!Ready Go!」

 

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128BPMの「Make a Move」がはじまる。これだけノリノリでMCをするKOIEは初めてなのでちょっとじーんとした。

 

5.メルクマールな福岡DRUM LOGOS公演!

大阪から飛び出して、初めて来たのがここ福岡だから、あの下積み時代に感じた想いが溢れ出ていた。ラパンに乗って徹夜で走ってライブに明け暮れた日々、辛く、楽しいあの時代があってこそ、今日の喜びに繋がる。クロスフェイスはまだまだ大きくならなきゃいけないけれど、それにしても、この福岡で1,000人を超える観客を集めることは困難を極めるのだ。そりゃあ嬉しいよな。

 

「今日はこんなに集まってくれて本当にありがとう!」

 

この幾度となく繰り返される言葉に全ての想いが詰まっている。次のワンマンはZepp福岡だ。また一段ハードルがあがる。そんな万感の想いは観客にも充分に伝わっている。黒髪をわさわさと振り乱しながら答える。10-FEET では無かったヘッドバンギングでその想いに答える。相変わらず今日はサーフが多いが、それ以上にこのベッドバンギングでうめつくされたロゴスは圧巻だった。福岡でこれが体感できるなんて、まるで夢でも見ているかのようだった。

 

そうかと思えばダンスミュージックを押し出してくる。ダンスも確かに面白いが、僕はやはりこのヘッドバンギンググラインドコアなクロフェが好きだ。最近、グロウルは減っているが、激しさは増してきている。このまま僕らを新しい世界に連れ出してほしい。今、日本を代表するヘヴィーメタルバンドはクロスフェイスなのだから。次はZeppかぁ!ロゴスは卒業かなぁ。ほんま、胸熱で圧倒された。ありがとう、クロスフェイス!。やっぱ、最高だわ。また来年!


Setlist:

Deus Ex  Machina

Catastrophe

Destroy

Dx Overdrive

Make A Move

Inside The Flames

Wild Fire

Jager Bomb

Mile Stone

Scarlette

freedom 

Day Break

 


encore:

The Perfect Nightmare

Monolith