神風が吹いたジュダス・プリーストのライブを観た!

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JUDAS PRIEST JAPAN TOUR 2018

2018.11.25

岡山市民会館


1.神風に乗って

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天気に恵まれた日曜日の朝、僕はサンパレスでバレエを観ていた。今日はジュダスプリーストのライブがあるのだが、娘の発表会と重なって、岡山とは反対方向の福岡に来ている。半ば諦めモードでサンパレスの席で悶々としていた。当初15時と聴いていた娘の出番が想定外に早まった。これは正に神風だ。神風が吹いた!お陰で14時にはその拘束が解けて大博通りを走る。「これはひょっとして間に合うんじゃね?」急いでバスに飛び乗り、博多駅筑紫口の改札口を駆け抜ける。「14番ホーム、14:19ののぞみ、おっしゃー!」ということで閉まる寸前で飛び乗り、岡山に向かった。乗ってしまえばただ待つだけ。16:08には岡山に着く。夢のような岡山!プリーストin岡山!岡山よ待ってろよ。新幹線はあっという間に岡山に着く。ビッグカメラの前のおかでん岡山駅から1番の路面電車城下駅まで行き、城地下を通って、レンガ色の岡山市民会館に着いた。市民会館の入口の前で円陣を組んでいるのは桃太郎さん、SUGYさんのいる岡山メイト会の面々。すぐわかった!「遂に岡山市民会館についたのだ。クッ~、ヤッター!」

 

2.開場から入場まで

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岡山メイトの面々は地元だけあって午前中から来ているらしい。入り待ちしてバンドメンバーに会ったらしい。皆んなベビーメタルのメタルゴッドTEEを着ている。プリーストのロゴをオマージュした2015年の幕張展示ホール巨大天下一メタル武道会全ピットの時のTEEだ。楽しいね。また神戸で一緒になったKOH2さんにも会った。KOH2さんは場外参戦だという。流石、地元の人は大胆、羨ましい。

ライブは17:00開場18:00開演。開場時間になって入場列はおよそ10分くらいではけた。キャパは1500弱で入場はもぎりのみだ。淀む暇もなく中に吸い込まれていった。全席指定だから並んで入る意味はあまりない。その後も疎らに入場は続く。途中、KOH2さんに缶コーヒーをご馳走になりながらまだ会えていない同士を待つ。ピリカレーさんの到着を待つ。17:40頃、漸くビリさんが会場に戻ってきて再会の握手を交わす。BM神戸、椎名林檎の大阪に次いで3回連続のライブ参戦で再会を祝福する。開演前15分を回ったのでKOH2さんと別れて入場する。

 

3.開演!

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僕のチケット番号は2階の14列目。後方ではあるのだが、会場がすり鉢状に傾斜があるので観やすい。会館の外観はかなり古いイメージだったけれど中はなかなかの立派な造りで驚いた。こんな場所でプリーストが観れるなんて素晴らしいことこの上ない。席について間もなく開演となる。18:00ジャスト!流石だ!

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幕の後ろで「WAR PIGS」の演奏が始まる。言わずと知れたバーミンガムのもう一つの巨頭、プラックサバスの楽曲だ。2015年にこの曲をオープニングで使い始めた際に、ロブはこんなことを言っている。「とってもサバスな邪悪な曲だ。とても恐ろしいよ。でも桁外れな感情の盛り上がりがあって無視できないんだ。これが始まれば俺たちのライブが始まるって気持ちが決まるんだよ。さあ、ビールは置いてステージに上がる時だぞって気分にね。」


https://www.straight.com/blogra/554171/judas-priest-using-black-sabbaths-war-pigs-pre-show-rallying-cry


「WAR PIGS」のイントロが終わり幕が上がる。勢いは正に絶頂と言わんばかりの歓声に包まれながら、「FIRE POWER」のイントロが始まる。上手からイアン・ヒル、アンディ・スニープ、スコット・トラヴィス、リッチー・フォークナーが位置に着く。そして相変わらず両手でマイクを握りしめて顔を隠すかのような歌唱法で登場するロブ・ハルフォード。「FIRE POWER」と言う新しい強烈なアッパーの効いた楽曲と共に戻って来てくれたことには感謝しかない。そしてここにはいない、グレン・ティンプトンも確かにここに宿る。しばしばバックスクリーンに登場するグレン。プリーストが目の前でパワー全開で歌っている。もうそれだけで十分なのだ。

病に倒れたグレンが新作のCo-Producerであるアンディにツアーで俺の代わりをやってくれと説得してこのタイミングのツアーが成立した。グレンのニュースとこのアルバムの素晴らしさからUSチャートも過去最高となった。

くどいようだが、本当に新作は素晴らしくって、これだけプリーストを聴いたのは、「Diffender」か「Turbo」以来じゃないか。だからこのツアーに参加できたことは本当に救われた思いでいっぱい。この後から初期の名作が続く。もうどれもが名曲であり、盛り上がらないわけがない、すごい。よくよく見ると「FIRE POWER」以外2000年代の曲はなく、ペインキラー以外'90年代の曲もない。'70年代から'80年代の曲でほぼセットリストが出来ている。この絞りこみはかなり大胆んだと思う。ロブは一曲毎に袖に下がる。

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「Turbo Lover」の時は袖に隠れて歌っていてでてこないのか?と思ったし、リッチーのギターチューニングがくるってて、ちょっと残念ではあったが、その後は調整されていた。

そして少し意外だったのは新作からの「Rising From Ruins」だ。この曲はライブには少し弱いかなと思っていたが、なんと歌いやすいことか!これは最高なアンセムじゃないか!このオーディエンスの上がり方は尋常じゃない!それにひきかえ「Freewheel Burning 」のロブの放置プレイは凄かった。オーディエンスにサビは全てお任せで、爆音でメロディラインを見失う者続出で、ちょっと微妙だった。そして「Hell Bent for Leather 」でハーレーに乗ったロブが登場する。下手側の会場が真っ白になる。本当に、ロブは下向きで歌うから二階席からは顔がほとんど見ることができない。そのことを気遣ってか、リッチーが終始上を見ていてくれる。手が下がると、手を叩けとアピールする。リードギターなのに、ソロを弾く直前でもなんでも構わず色々な指示をくれて気を使ってくれる。そしてアンディはというとイアンにかかりっきり。イアンは上手後方でただひたすらベースを奏でる。やもすれば孤立しがちなイアンにアンディはちょくちょく近づいては絡んでいる。そしてロブ、そんなリッチーとアンディが弾いているところに手を伸ばす。なんかサイレント映画でも観ているかの様な滑稽さがある。メタルゴッドがお茶目なオヤジにみえた瞬間。ある意味バランスのとれた役回りが出来上がっている。グレンもケンも居ないのに、本気な現役ジュダス・プリーストがそこにいる。


そして恒例となったスコットの「何が聴きたい?」コールで皆んな「ペインキラー!」と叫ぶ。何せバックドロップのスクリーンにペインキラーのアルバムが映っているんだから笑える。そしてあの独特なドラミングがスタートしてロブが入って来る。ロプはハーレイにうつぶせた形で歌に集中する。このハイトーンは凄い。僕らも歌うけれど高音が出ないし、音程が取れないこともしばしばある。ペインキラーはしっかり歌うロブ!やはり生のペインキラーは全然違う。ずっと聴いていたい。会場は暗転して終了する。アンコールを求める拍手が始まると直ぐに客電がついてメンバーが戻ってくる。この速さは今までにない速さだ。そこからは「ヘリオン」、「エレクトリックアイ」、「ブレーキング・ザ・ロウ」ととてつもない名曲のオンパレードで続く。そして本当に最後にアンセム「Living After Midnight」をみんなで大合唱する。


Living after midnight, rockin' to the dawn

Lovin' 'til the morning, then I'm gone, I'm gone

 

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客電が落ちBGMが流れる。なんとQUEENの「

We Are the Championsが流れる。今、劇場公開中の映画「ボヘミアンラプソディー」に合わせたBGMの様だ。何せ客電が付かないから、これはアンコール2回目があるのかと期待して一緒に歌っていた。とその時に明るくなり、ライブ終了となった。


感無量。特に二階席に常に目を向けてくれていたリッチー・フォークナーが印象に残った。スコット・トラヴィスはオモチャのようなセットに挟まれて目立たなかったけれど、最高の笑顔を僕らにくれた。ジュダス・プリーストがこんなに元気だなんて素晴らしい。ありがとう、ジュダス・プリースト!ありがとうFIRE POWER!一生忘れないから!

 

 Is This A Real Thing Which  I See Before Me?

ぼくの目の前で起こっていることは現実なのだろうか。ロブの好きなマクベスのセリフのオマージュから。

 

See You!