ミズニ ウキクサとその仲間たち

ミズ二 ウキウキ ツアー vol.2 ツアーファイナル編

2019.06.08

小倉FUSE

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1.ライブ前

珍しく週末の天気が不安定で、晴れたり、雨が降ったりと忙しい土曜日となった。晴れれば肌を焼く強い日差しが照り付け、運動会に参加した僕の腕はかなりひりひりとダメージを残す。FUSEには開場時間の17:30に到着した。周辺の街に近いFUSEはライブ開始前まで参加ミュージシャンたちは出たり入ったりしている。「あれ?お嬢がいるな。今日、ノンフィクション出てたっけ?」お嬢こと佐々木愛加さんがいた。今回はダーウィーンというバンドで出演している。これまでノンフィクションでミズ二 ウキクサとの対バンライブでお見掛けし、その激しいパフォーマンスに惹かれるものがあったし、ミズ二 ウキクサの「カシスビートロマンス」のMVにも参加されていたことで、お嬢という存在にはいろいろ不思議さがつまっていた。

実はお嬢としての活動のメインはこのダーウィンであり、ノンフィクションはあくまでサポ-トのようで、たびたび松本愛実さんや元首振りDOLLSのジョンさんが入ってやっている。とは言えイイジさんとの掛け合いが面白くて、なんでノンフィクションに正式加入しないのかなと勝手ながら不可思議に思っていた。その理由はどうやらこのダーウィンにありそうだ。

今回の対バンライブはツアーファイナルのミズ二 ウキクサの他、ザ・サテライツのサテライトキャノンツアー2019との共同主催イベントとなっている。そこに集ったバンドたちはなかなか個性の強いバンドたちで面白かった。

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FUSEに入ると早速、愛実さんがロビーに現れる。

今日はワインレッドの花柄ワンピースでいつもの白いドレスではない。

今日はまだステージ衣装に着替える前に登場と、少し余裕がある。なんせ6バンドが出るトリだから、まだ出番まで時間がある。物販の内容には変化はなく、その更新を期待したいところだが、なかなか難しいんだろうな。ミズクサちゃんTEEを身に着けるものは3人で、まだまだ普及具合が足りていない。さて会場の音が大きくなってきた、ライブが始まるみたいです。

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2.ライブ開始

開始して2バンドが終わった。実質のスタートは3バンド目のカルテからだろう。カルテはミズ二 ウキクサとよく対バンをしているバンドの1つで、気になっていたバンドだった。聴けて良かった。パッとみた印象はアートスクール系、ブラーとかを彷彿させるような、良い意味で自己陶酔系、逝ってしまった系のヴォーカルだった。声がよくて聴き入ってしまった。最近男性ヴォーカルでいいと思ったバンドが少ないので、正直、不思議だったが、兎に角心地がよかった。特に中盤に演奏されたスライドギターで奏でた「真昼の屑星」が新鮮だったな〜。初期の楽曲だそうで残念ながら廃盤になったアルバム「捧ぐ」にある曲らしい。iTunesでデータ盤は販売されているということなんで、ダウンロードしてみよう。

 

バンドの求心力はどうしてもヴォーカルにある。今日はそんな個性的なヴォーカルを擁するバンドが続く。

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4バンド目、待望のダーウィン登場。

お嬢がいつものように下手袖よりで激しくも控えめに踊る。観る者にとって音楽というものは音だけではない。音の良さは必要ではあるが十分ではない。ライブは聴くだけではなく観るものでもある。そのパフォーマンスの美しさも重要であり、ライブならではの魅力となる。その優美さにおいて、お嬢の存在は極めて重要な存在だ。これだけステージ上でかっこ良くできるってのは一重に才能だなと感じさせる。バンドの主体であるヴォーカルを引き立てつつ、その優美さで観るものを虜にするその踊りは見事!必見だ。そしてそんなお嬢を引き付けるヴォーカル大島さん。イイジさんと張り合う程の個性がやっぱりあった。イイジさんの特異さとは真逆など直球さがなんだろうなぁ。

ダーウィンというバンドを見ると、ミュージシャンとしての初期衝動的なものが感じられる。気を衒うことなく正攻法で攻める。歌の普遍的な部分を磨き、バンドとして各人が対等の関係性を築く心地よさ、観ていてふとそんなことが感じられた。どのバンドもそうだけれど、ポテンシャルは高い。無いのは「成功」という2文字。何をもって「成功」と言うのかはわからないが、音楽で食べていくくらいにはなりたいものだ。最後に演奏された「日々」は胸に染みる。

 

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5番度目のザ・サテライツはピザ系のメロコアの一群かなと言うくらいの印象からスタート。激しく、上手い、若い、エネルギーがほとばしる。ロゴもアートワークもおしゃれ。しかし後半の「ロックスター」から等身大の主張が語られる。背伸びしない、ぶっちゃけている苦悩がそう言えばPALEDUSKのKAITOの主張に通じるものがある。その葛藤との戦うリアルなドラマツルギーに打たれる。その最たる新曲「東京」は生々しい独白が展開される。もはやメロコアではない。言わばエミネムの「ルーズ・ユア・セルフ」さながらの悲壮感に満ち溢れた生々しい生活に関するライムがスポークンワードとしてBGMに合わせて進行する。抑揚を付けていない、韻を踏んでいないからヒップホップではないが、その佇まいは通じるものがある。とにかくこの「東京」は凄いので聴いてもらいたい。この迫力はすべてのレッテルを綺麗に焼き尽くす。

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いよいよトリのミズニ ウキクサが登場する。

いつも通り「ミズニ ウキクサです。」からのスタート。乗っけから情念のこもったミズニ ウキクサでしかありえないオーラに包まれて演奏がスタート。最初の1秒で会場を支配してしまう迫力に感服する。コウヘイさんのギター、別格の上手さ、たっくんのドラムと愛美さんのベース、ヴォーカル、この無駄のないトリオは完璧。これを聴かないなんて損、損!新譜「八月の溜息」からは3曲が演奏されてMCが挟まる。今日はツアーファイナル、福岡、鹿児島、東京、名古屋、神戸、大阪と来て今日の小倉。刺激的な数日を通して色々な想いがこみ上げたかのようなMC。いろいろ経験出来たのだろう。良いことも悪いことも様々あったのだろうな。

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愛美「弱音を吐くのはもっと売れてからにします。」

この言葉に含まれる色々な想いが次にどんな実を結ぶのか楽しみだ。

 

たっくん「いつが一番キツかったですか?やはり12時間かかる東京への移動が辛かったな。なんと言っても運転手が僕1人しかいなかったのが辛い。(笑)」

 

確かに辛いが「そこか!」って言う笑いが会場から起こる。パッと客席に、笑いが広がり、明るくなるのが良い。まさに姉弟で光と陰。この姉弟の自然なあり様が無垢で素晴らしい。またこんな笑いもあった。

 

たっくん「前日にバスケを2時間全力でやって終わりの30分はバキバキで筋肉つりまくり。こんなんでライブに支障をきたしたらどうしよう!と思っていたけれど、バスケとドラムでは使う筋肉がちがうようで全く問題ありませんでした。と言うことで、皆さん、ドンドンバスケをやりましょう。」

 

相変わらず、なんのことかわからない撹乱する、楽しいMCもまたたっくんの、ミズニ ウキクサのライブにおける魅力の1つ。このMCの後に「散らばる着地点」から三曲が演奏され。アンコールは「凍る海」から「街」。ダブルアンコールでは楽曲の用意が無かったと言うことで挨拶のみと成ったが、でてきたときの三人の笑顔が印象的だったなぁ。

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愛美「ツアーファイナルでしたが、次の告知はまだ用意できてはいません。でもミズニ ウキクサはまだまだ続きます。」

 

力強い言葉が最後に聞けて良かった。これからも頑張ってください。応援しますよ。

 

 

ミズニ ウキクサ

セットリスト

 

1.ダンシング・トゥナイト

2.羅針盤

3.夏の終わり

MC

4.カシス・ビート・ロマンス

5.トラベル・アワー

6.エンドロール

encore:

7.街

encore:

挨拶