Signs of the Swarm 九州重音祭初参戦の夜

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九州重音祭

2019.01.25

小倉FUSE


僕はグロウルやスクイールに良いイメージを持っていなかったので、大分遠回りをしてしまった。2015年にアーチエネミーを聴いて、ブラックアースのライブを観てからデスヴォイスへのイメージが180度変わり、機会があったらデスメタルをもっと観てみたいと思うまでになっていた。そして丁度一年前くらいのヴィレッジバンガードで、福岡出身のメタルコアバンドPaleduskの新譜Blue Roseの試聴をしてから、地場のデスコアか~、ライブを観てみたいなぁと言う考えが頭をもたげ始めた。そんな偶々が昨年末のツイッター「九州重音祭」を見つけることで成就した。Paleduskが出るし、小倉でやるし、アメリカのバンドも出るみたいだ。正に祭!これは神の仕組んだイタズラではないか?今、これを観ろということなんだろうと受け止めてチケットを探す。しかし見つけたのはe+のソールドアウト。「千載一遇のチャンスは絶たれたのか!神も仏もいないのか?」と諦め掛けていたところにタイミング良くPosthumanityのゆづぽんさんが「チケットお持ちでない方、取り置きしますよ。」と神の一言で救われ、目出度く参戦と相成った。

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その後調べてみたら、九州重音祭は当初の予定から大きく狂ったラインナップとなって、主催者がチケット代を下げて、e+での販売は取り止めて(僕はソールドアウトと勘違いしたが・・。)バンドや主催者の手売りのみになっていたことがわかった。アメリカからの来日アーティストがまだ残っているにもかかわらず、この対バンレベルの販売価格で決行とはすごい!ってか無謀。そもそも小倉FUSEに来日アーティストが来ると言う事自体にも驚いたし、ヘッドライナー、準ヘッドライナーの二者がキャンセルで決行というのも聞いたことがなかった。こんな逆境の中で決行する根性半端ない!MHz Festって何もん?桁違いなプロモーターだわ。もう最高!感謝しかない。


REIGA「今日、九州重音祭にアメリカからバンドを呼んでこんなに多くの皆んなに集まって貰えたのもみんなMHz FestのMARINAのお陰げ。こんな凄いことを今の時代、こんな女社長がやっているんだから!凄いよな。MARINA何処だ!」


まだこの時は実感が湧かなかったけれど、終わってからジワジワとその凄さが感じられる。火の玉ガールMARINA率いるMHz Fest主催のこのイベント、まじで神やった。伝説と言っても過言ではないだろう。それでははじまり、はじまり。(笑)

 

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1.はじまりから伝説

16:00に「再入場禁止」の看板の立つ小倉FUSEに着く。「おいおいフェスなのに再入場禁止とか凄いな。飯抜きだな、こりゃ。」と思いながらの入場。これからここに何時間か缶詰になるわけだ。意を決して中に入ると正面、BARカウンター前にはアメリカはピッツバーグからスラミング・デスコアを標榜するバンド、Signs of the Swarm(SOTS)と長崎から飛び出した今一番勢いのあるデスコアバンド、HOTOKEの物販が並んで出迎えてくれた。特にSOTSのドラゴンボールTEEがオレンジ色で目を惹く。海外でいかにも作った的な日本語TEEすごいなぁ。とにかくメタルコア・デスコア初体験の僕にとっては全てが記念すべき日。とにかく全身で受け止められるだけの音楽を貪欲に受け止めに行く。先ずは全バンドのCDを漁り、特に今回チケット確保でお世話になったPosthumanityはロングスリーブTEEを購入!図案が中で一番好みだったから、デスコア素人の僕でも「馬子にも衣装」的な感じで良き。着替えたらなんとなく和む。16:00開場が押したにもかかわらず、16:30の開演はオンタイム。重音祭は余韻もなくスタートを切った。

 

2.オープニングから激アツ!

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先ずはオープニングアクトのBANEだ。広島から来たデスコアバンド。重音祭に相応しい重低音に痺る。グロウル、スクイールの洗礼をBANEに受けた。音源で聴くよりライブの方が馴染んで聴こえて心地よい。オープニングアクトだからオーディエンスはまだ疎ら。でも乗っけから激熱。特に公演取り止めとなったAversions Crownの「Erebus」カバーには感激した。本当ならば今日、生で聴けたであろうこの曲、染みる。

 

3.いきなりPaledusk!

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続く本編、なんと先頭を切るのはPaledusk。While She Sleepsの来日公演のサポートをした事で記憶に新しい 福岡を代表するバンドPaleduskである。WSSも良いけれど、この福岡出身のバンドが「良かった!」とのツイートも聞いた。BassのJohnが脱退、Ashが加入してから初の北九州公演。いきなり登場するとは予期していなかったから慌てた。ジントニック一気飲み。下手最前(スピーカー前)をキープ。283とAsh側でDaisukeの旋回するドレッドとギターからは距離を置いた形だ。(笑)まあ、凄いのなんの、ノリが段違いだ。こちらもヘッドバンギングで、徹底抗戦。しかしハードコアは乗り方が違う。観客はピットの大きな空間を使ってカンフーモッシュだ。マジで周りを見ずに暗闇で手足を旋回するのは堪らない。前ではDaisukeがギターをブルンブルンさせるし、後ろも狂った様に蹴りだパンチだと忙しい。さっきからばこばこ流れ弾を受けながら最前でヘッドバンギングに勤しむ。音楽的レベルはメシュガーくらいかな?かなり素晴らしいので今後が楽しみ・・とか考えながらヘッドバンギングに明け暮れた。おかげでかなり体はヒートアップできた。

 

4.ドゥームなVictim of Deception

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続いて東京からVictim of Deceptionが登場。 Paleduskの物販を見に行って、上手5列目くらいで観た。ヴォーカルDaichiの急逝で新たにMakitoがくわわった新体制、初の九州公演となる。Makitoはピアスをしたお洒落な甘いマスクだが、スクイールもなかなかのパンチがある。またドゥームっぽい低速、ド重低音なブレイクダウンに全員がヘッドバンギングで合わせる。これが揃っていて豪快!気持ち良い。サブドロップのドゥーン音が連発してどの曲も同じように聴こえる難はあるものの、分かりやすいグループを醸し出して乗りやすかったかな。いろんなバンドがいるなぁ。各バンド個性があって面白い。

 

5.むっちゃ楽しい地場、ULAW

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VODが終わって、Universe Last A Wardにステージが作り直される。流石地場北九州のバンドと言おうか、ステージで組み直している中でもC&Rと言うかお喋りが楽しそう。サウンドチェックが開演時間になっても終わらないのかと思っていたら、いきなり始まった。とにかく楽しい。笑顔が絶えない。敷居が低くてステージ、モッシュピットの分けも曖昧な乗り。グルーブはあって、ショーとしての面白さや意外性は一番高かったと思う。興奮する観客、サーフ、ダイブに、ステージからピットまで縦横無尽な往来が一番めちゃくちゃで楽しかった。ヘヴィーに遊べるって最高だよな。とにかくULAWのライブはパーティーのようだった。

 

6.粋なバンドHOTOKE

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続いてHOTOKEが登場!箱内に客がワラワラと詰まってくる、動員は一番多かったんじゃないかな。ガチガチのデスコア。グロウル、ピッグスクイールが気持ち良い。一体どうやって出してんだよと言う音が目の前で鳴っている。上手2列目くらいで観ていたけれど、REIGAもピットに降りてくるし、モッシュサークルに参加するので僕らも移動する。ぐるぐる回って、下手4列目くらいに落ち着く。またREIGAから一升瓶が観客に渡され、皆んなで一口づつ呑んでは瓶が会場内を渡り歩く。イキな計らい、やる事が規格外で驚く。MCで冒頭のMhz Festの話をしたり、今回フェスでWithin the Ruins、Aversions Crownがキャンセルになったこと、それでもSigns of the Swarmが来てくれたこと等をいろいろ話す。


REIGA「こんな素晴らしい祭りに来ないなんてアイツらも勿体無いことするよな。SOTSは最高なんで楽しんでいってくれ。その前に二匹のデブのバンドがあるがな!(笑)」

 

7.酒浸しのPosthumanity

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日本側のトリは Posthumanityだ。活動歴は長いメンバーが新たに始めたバンドで、ツイッターで何の巡り合わせかこの祭の切符をヴォーカルのゆづぽんさんに取り置きしてもらった。たまたまとはいえ、音的には重低音、ど迫力で最高なデスコア、僕好みだった。音は「Control」だけMVで予習してきたけれど、そんなことより素晴らしい生歌が聴けたのが全てだったよ。HOTOKE同様、本重音祭執行人である Posthumanityは、上位二者のキャンセルの件の謝罪と、本当は福岡で企画していた本重音祭が箱の確保できず、小倉 FUSEに助けて貰った経緯とその謝意を表すなど、主催者らしい弁が並ぶ。そんな硬苦しいMCを激変させたのがREIGAで、いきなり舞台袖に来たかと思うと酒をジョッキにになみなみ注ぎ、ゆづぽんに渡し、一気飲みしろと言う。またギターの荒木さんには残りの一升瓶を渡して、まだ4分の1は入っていただろう焼酎を一気飲みさせた。ステージ上はめちゃくちゃやなぁ。バンド仲間の飲み会にでも迷い込んだかのようなアドリブだった。大丈夫なのか?

8.フレンドリーなSigns of the Swarm

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会場の盛り上がりが高まったところでアメリカはピッツバーグからやってきたスラミング・デスコアのSigns of the Swarm(SOTS)が登場する。VocalのDave SimonichはデカくてFUSEのコンクリート梁に頭が軽く届いてしまう。パフォーマーにとっては厄介なFUSEの梁、しかしそれも上手く避けて圧巻なパフォーマンスを僕らにみせてくれた。Daveのスクイールは誰とも違うし、ゾクゾク来る声だった。そもそもが人のものなのか?と感じたりもした。

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ライブの時はこれでもかとガンガン攻めてくるDaveも、ライブ後は満面の笑みで優しい。快くCDにサインをして一緒に写真も撮ってくれた。SOTSは昨年6月にヴォーカルがCJ McCreeryからDave Simonichに変わっている。Lorna ShoreのTom BarberがソルトレイクのChelsea Grinに移籍したので、その空いたポストにMcCreeryが入り、SOTSのヴォーカルにはDaveがなった。アメリカならではのステップアップ移籍で、どちらも面白い逸材だった為、好意的に受け入れられているようだ。

DaveのONとOFFの切り替えが凄くて、あれだけライブ中は狂気に迫る表情で強面だったのに、物販にやってきたDaveは満面の笑みで完全に別人のよう。完全にやられた。

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またCory SmarshとCollin Barkerも後からやってきて、一緒に写真を撮った。みんな凄くフレンドリーで楽しい。皆んなとても充実した感じだったし、次作が期待される。どうな感じになるのかが楽しみだ。

 

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9.終演!
こうして無事、九州重音祭は終演した。16時から22時までの濃厚な6時間は一気に過ぎていった。また来年もあることを期待する。家に帰ってCDを聴きまくりましょう。

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