華やかな椎名林檎の20年!不惑の余裕!

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椎名林檎 – (生)林檎博’18-不惑の余裕- 

大阪府 (大阪城ホール)

2018年11月3日

 

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神戸でBabymetalを観た3日後に大阪で椎名林檎のライブを観ることになるなんて、何たる強行軍。まるで違う二つのライブをこの短期間で観ることで、どうしても比較してしまう。そんなライブだった。


これ以上ないくらいの快晴。フレー、フレー、日本晴れ♪と高らかに歌ってしまいそうなそんな空の下で開演を待つ。

 

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幕開けはまるでドリムシのボールのようなロボットが画面いっぱいに映し出される。まるでPerfumeを彷彿させるテクノポップなオーヴァーチャーから名曲「本能」に繋がる。椎名林檎はオーケストラピットで指揮をするところからのスタート。

大画面に大写しになり画面いっぱいの大きな文字でMummy-Dとクレジットされる。林檎姫からもMummy-Dと紹介がある大スターMummy-Dと言った派手さで紹介される。ライブがあたかも映画か、TVかみたいに事細かに連動してキャストの紹介がされる。全くクレジットが出てこないBABYMETALと真逆、バックバンドやオーケストラですら、紹介されるわけで、その人材の扱い方に驚きを隠せない。Mummy-Dの魅力溢れるラップと椎名林檎より前面に出てショーを展開するELEVEN PLAY、AI、Bambinakaの艶やかさには脱帽である。ランウェイを颯爽と歩く、ダンサーが単なる引き立て役ではなく、主役、今まさに売り出し中のアーティストさながらにクレジットされる。Mikikoと林檎という二つの類いまれなる強い才能が上手く合わさると、かくも強力なショーが出来上がるのかと驚いた。キレのあるダンスに華やかな衣装、女を存分に魅せる天才との融合で、若き彼女らに惹かれる、いつしか虜となる。


まさに彼女たちを売り出す為のショーと言っても過言ではなかった。大画面にクレジットされるEleven PlayのSAYA、KOHMEN、EMI、KAORIの4人とAI、BAMBIの2人、計6人のダンサーの姿と名前が巨大なスクリーンに大写しとなり、生林檎博のファーストインパクトとして脳裏に焼き付いた。経験豊富な彼女たちだけれど今正に旬、生々しくて初々しくて美しく感じた。一方、林檎は女として自分の失ったものを知り、一歩も二歩も引いて引き立て役に徹する。でもそこに確実に存在しているからこその安心感、それでも十分に示される存在感。このショーで唯一クレジットのない林檎が結局のところが主役であり、熱き視線を欲しいままに集める。僕らはショーを存分に楽しめて、そこから又新しい各アーティスト、共演者の魅力を楽しむ余裕が生まれる、「不惑の余裕」今回の正にツアータイトルさながら。


「東京は夜の七時」で浮雲が登場してのオンステージ!出演者が多数参加するのが物凄い。.「獣ゆく細道」ではエレファントカシマシ宮本浩次は映像での共演だったけれど「目抜き通り 」ではトータス松本がゲスト出演。たった一曲、しかしその重みは半端ない。ランウェイを一周する情熱的なトータスのサービス精神に林檎も笑う。


自分の魅せ方に拘りをもっている林檎の20年の営みが全てショーに反映されていて素晴らしく濃厚だった。転機に遭遇したカリソメの乙女が歌舞伎町の女王としての新しい才能に自分の次を見つけた、そんなショーだった。今回の生林檎博を観て、今のベビメタのショーに欠けている何かが浮き彫りになったと感じた。来年10周年を迎えるベビメタと、20周年の林檎の今が全く異なるアプローチで展開されていることに驚きを隠せない。